1週間ぶりの更新になってしまいました。皆さん、いかがお過ごしですか?
僕はやっとやっと5月17日(日)の「Viva Opera! オペラ・ガラ・コンサート」の編曲を終えました。本当にやっとやっとです。ギリギリでした。間に合わないかと思いました。本番が開催できないんじゃないかと本気で焦りました。出来上がった曲の楽譜からオーケストラに渡してありますが、数曲がオーケストラ練習当日に渡すことになってしまいました。まったくもって申し訳ない限りです。ただ、オーケストラの演奏者は初見には長けて、ギリギリに曲が上がってきても対処できるものです。幸いにも、今回は練習時間をたくさん取ってありますし。
2月にデスクトップ・コンピュータが壊れたのが響きました。これですべての編曲の予定が1週間遅れました。
いや、待てよ。デスクトップ・コンピュータが壊れなかったら、名古屋の住み処だけでしか編曲できなかったから、全然間に合わなかったでしょう。だって、いつもノート型パソコンを持ち歩いて、わずかでも時間が空いたら編曲して、やっとやっと間に合ったのですから。デスクトップ・コンピュータは壊れて正解だった?まぁ、不幸中の幸いでしたね。やはり僕には幸運の女神がついています(笑)。
さて、5月17日(日)の「Viva Opera! オペラ・ガラ・コンサート」のための編曲はフル編成のオーケストラから19人のアンサンブルへの編曲でした。弦楽器はほとんどいじっていませんが、管楽器は1パートひとりになるので、かなり手を加えました。ソロの箇所は問題ないですが、トゥッティ(全奏)で色合いを添える時が問題なのです。どの音を省き、どの楽器でどの音を吹かせるか、それでいて、原曲の持ち味を損なわないように考えながら編曲していたので、予想以上に時間がかかりました。
もっとも時間がかかったのはG.プッチーニの『蝶々夫人』。色彩豊かな素晴らしいオーケストレイション。メロディーも美しい。プッチーニは天才です。ゆえに、その持ち味を保つのは大変でした。
もうひとつ大変だったのはC.サン-サーンスの『サムソンとダリラ』のダリラのアリア『あなたの声にわが心開く』。サン-サーンスはこの曲にとんでもないオーケストレイションをしています。まいってしまいました。この曲だけどうなるか心配。でも、非常に美しい曲です。グッときます。これを歌われたら、英雄サムソンも敵方の舞姫ダリラの誘惑に落ちるだろうなぁ。僕は完全に落ちます(笑)。
「Viva Opera! オペラ・ガラ・コンサート」ではG.ビゼーの『カルメン』から6曲取り上げます。実を言いますと、僕はこれまで『カルメン』に興味はありませんでした。『カルメン』で有名なのは『前奏曲』とカルメンの『ハバネラ』、エスカミーリョの『闘牛士』の歌でしょう。これらは音楽的に内容の深い曲ではありません。目立つ役に音楽的なアリアがない。だから、『カルメン』に興味がわきませんでした(まぁ、僕がオペラに重きを置いていなかったというのもありますが)。しかし、ドン・ホセとミカエラには素晴らしいアリアがあるんですね。フランス音楽特有の色彩感があります。「あぁ、ビゼーってフランス人だったんだ」と実感しました。ビゼーを見直しました。『カルメン』は、オペラではなく、本来はオペラ・コミック(Opera comique)だから、こういう風になったのかな。オペラ・コミックとは台詞と音楽で構成されています。モーツァルトの『魔笛』のようなドイツのジングシュピール(Singspiel)やミュージカル(Musical)に近い。カルメンやエスカミーリョは俳優が歌うことを想定して書かれたのかもしれません(それゆえ、実演では大変な演技力が求められます)。ちなみに『カルメン』は、ビゼーの死後、他人が台詞の部分をレチタティーヴォに書き変えてオペラに仕立てられた版が一般的となっています。
「Viva Opera! オペラ・ガラ・コンサート」関連でもうひとつ。8日(金)に最後の合唱練習がありました。そこにわれらのカルメン、三輪陽子さんが来てくれました。ソリストと一緒に練習すると、合唱団員の志気がいっそう高まります。三輪さんは相変わらず素晴らしい。合唱は三輪さんの醸し出すオーラに影響され、それらしい雰囲気が出てきましたね。お互いのフィーリングを感じとって、音楽を作り上げるというのは良いなぁ。"混声合唱団スコラ カントールム ナゴヤ"は着実に成長しています。うれしい限り!
さて、10日(日)には6月28日(日)に本番を迎える「meets and Vox MEA ジョイント・コンサート」の合同練習がありました。「Viva Opera! オペラ・ガラ・コンサート」と並んで、こちらも名古屋での大きな本番。
この日は第3ステージの「世界の民謡」を初めて練習しました。酒井国作さんがこのために編曲して下さいました。アイデアとそれをまとめる構成力が素晴らしい。ただ、あと2曲仕上がっていません。予定よりも遅れています。演奏者側はかなりせっついているようですが。酒井さん、お気持ちお察し致します(笑)。
「世界の民謡」の編曲が遅れたお陰で(笑)、渡邉なつ実さんの新曲『今日からはじまる』も練習できました。バランスを考慮しながら、音楽を作り上げていこう。
という具合に中村貴志は生きています!