今日はいよいよ待ちに待った本番、
名古屋市立駒方中学校の創立40周年記念式典で幻の校歌混声四部版を歌う&生徒合唱の指揮をする本番を迎えました。昨日とは打って変わって、太陽が燦々と輝く、秋晴れの青空。清々しくて、気持ち良い。駒中の40周年式典の成功を前祝しているようです(笑)。
式典は13時30分からでしたが、それに先立ち、午前中は校内の合唱コンクールが行われました。僕はコンクールも聴かせてもらいました。本当に懐かしい雰囲気。僕も20年近く前はこんなんだったと思いながら
(もう20年も前か…)、聴き入って(見入って)いました。僕の出身中学校も学年別でクラス対抗の合唱コンクールがありました。僕は中学2年生と3年生の時に指揮者を務めました。そのことが僕を音楽家としての道へと導いたように思います。ですから、中学校の合唱コンクールは僕の音楽家としての原点と言えるかもしれませんね。
1年生は初めての合唱コンクール。だから、まだ何にも知らないという感じ。2年生になると、レベル・アップしますね。去年の上級生たちの演奏を参考にし、生かしています。3年生になると、さすが最上級学年、あらゆる点で立派でした。感動しました。審査員の先生・生徒は大変だったんじゃないかな。コンクールということで順位をつけなければならないのですが、どのクラスも素晴らしい演奏でしたから、順位を付けるのが難しかったと思います
(僕は審査員じゃなくて良かった)。
3年生の選択音楽の生徒による器楽演奏も良かったです。リズム系の楽器からエレキ・ベースまで入った、ブラス中心の本格的なバンド。皆、今後も楽器を続けてほしいな。
僕なんか関係もないのに、審査発表の時はドキドキしました。大きな歓声を上げるクラスもあれば、涙を流す子もいる。それだけ一所懸命やってきたんですね。それこそが賞よりも大事なこと。
13時30分、いよいよ40周年式典が開式。式典の後半にアトラクションプログラムが組まれました。生徒会制作によるスライド「駒方中学校40年のあゆみ」にはじまり、生徒の有志による和太鼓演奏に続き、いよいよわれわれ声楽家の出番。出演者は以下の通り。
ソプラノ:
山中敦子
アルト:丹羽幸子
テノール:中村貴志
バリトン:遠山貴之
ピアノ:金沢昭奈
われわれが舞台に登場すると、女声陣のドレスを見て歓声が上がりました。なんて素直な反応。まずは駒方中学校の幻の校歌混声四部版を四重唱で復活演奏(もしかしたら、初お披露目)。続いては生徒たちがおそらく音楽の授業で聴いたであろうF.シューベルトの『魔王』を、魔王は丹羽さん、子供は山中さん、お父さんは遠山さん、最初と最後の語り部は僕という役柄で歌い分けて演奏しました。皆迫真の歌唱。僕は3人のやりとりに聴き入ってしまい、危うく最後を落とす(出そびれる)ところでした(苦笑)。そして、僕の独唱による小林秀雄の『落葉松』。最後は英語の教科書に歌詞が載っている"We Are The World"。生徒たち、来賓の方々は僕らの演奏を集中して聴いて下さいました。お陰でこちらも演奏に集中でき、良いパフォーマンスができたと思います。
"We Are The World"を熱唱中の写真。この曲は面白いことに一番盛り上がるサビの音域が低い。キャンペーン・ソングなので、誰もが歌えるようにそうしたのかな?この曲だけマイクを使う。
アトラクションプログラムの大トリは"駒中混声合唱団"。いよいよ本番だ!僕にとってこれが今日のメイン。72名の生徒たちが舞台に並んだ姿を見て、今までの練習風景が思い浮かびます。練習時間は決して多くはありませんでしたが、僕はこのプロジェクトに強い思い入れがありましたから、鮮明に覚えています。
演奏した曲はアンジェラ・アキ作詞・作曲(鷹羽弘晃編曲)の『手紙〜十五の君へ〜』と駒方中学校校歌の混声四部版。本番はむちゃくちゃ良かった!歌っている姿が輝いていました。皆の心を感じる演奏でした。お調子者だった子が、あまり表情のなかった子がしっかり歌っているのを見て、僕の心はジ〜ンとなりました。
合唱は些細なことだけれども、やろうという気持ちになり、努力して、ひとつのことを成し遂げたことは素晴らしい。しかし、このことは何事にも応用できます。やりたいと思ったことに突き進んでほしいし、やらなければならないことを成し遂げてほしいと思います。
今回のことを通じて、素晴らしい人々と出会うことができました。今回のプロジェクトを発案した先生とその呼びかけに賛同して、"駒中混声合唱団"に参加してくれた72名の生徒たち。しかし、これだけではこのプロジェクトは成り立ちませんでした。校長先生をはじめとする教職員と保護者の方々の深いご理解と献身的なご協力があってこそです。たくさんの先生方が僕のだけでなく、生徒の自主練習にもお付き合い下さり、支えて下さいました。心から感謝致します。
駒中の生徒は忘れないでほしい。素晴らしい人たちが周りにいるということを。決してひとりではありませんし、ひとりでは生きていけません。大人になっても同じですが、支えてくれる人がひとりでもいるということは幸せなことです。そういう人をひとりでも多く見つけて、これからを歩んでほしいと心から願っています。