小春日和だった今日、3月22日本番の「イースターコンサート」の練習がありました。今回はソリスト、合唱、オーケストラ、全てのセクションが初めて揃っての練習。今までそれぞれが別々に練習してきましたが、今日初めてひとつになるのです。練習前は期待でワクワクしていました(不安でドキドキするのも少々)。
まずはハイドンの『ハルモニーミサ』から練習。今日は合唱団員の欠席が多く、合唱の人数が少なかったのですが、オーケストラに負けていませんでした。不安だった、GloriaとCredoの終結部のフーガもよく歌えていました。頼もしいです。本番までその調子で!
オーケストラは少ない練習回数でよくここまで弾けるようになりました。プロが弾いてもハイドンは難しいんです。特に『ハルモニーミサ』は。弦楽器はイジメに近い(笑)。今回はかなり弾ける方が集まっているのもありますが、皆さんの努力のお陰で、細部まで掘り下げられつつあります。
ハイドンの『ハルモニーミサ』のソリストは皆僕よりも若い(笑)。つい最近まで「中村くん、昭和50年生まれなの?若いなー!」なんて言われていたのに、今や僕も自分より若い人たちと一緒に仕事する年になってしまいました(苦笑)。でも、良いですよ、今回のソリスト!
ソプラノの鬼一薫さんとは昨年に2回オペラで共演しました。声良し、姿良し。是非宗教曲でもその魅力を見たいと思って(もちろん彼女の声に合っているとも思って)、今回のソロをお願いしましたが、バッチリでした。
メッゾ・ソプラノの増渕弥生さんとは今回が初共演。宗教曲に合うアルトあるいはメッゾ・ソプラノをという求めから、ある方からご紹介頂きました。増渕さんの声はどの音域も安定していて、素晴らしい。容姿も端麗。
テノールの田中良和くんとも今回が初共演で、バリトンの坂上くんが紹介してくれました。宗教曲をレパートリーにしているということで、田中くんの声を聴くのを楽しみにしていましたが、期待を裏切りませんでした。軽く、明るい声でアンサンブルがきちんとできる。僕の好きなタイプのテノールです。こういうテノールはなかなかいません。貴重です。
バリトンの坂上洋一くんとの付き合いは結構長いです。坂上くんは器用な歌手です。演技も上手いし、機転も利くし、色んな表現ができる。そして、自分をしっかり持っています。それでいて、音楽の和も人の輪も乱さない人柄。彼と音楽するのは楽しい。
次は、ゲオルギ・バブアゼさんをお迎えして、メンデルスゾーンの『ヴァイオリン協奏曲』の練習。バブアゼさんはグルジア出身。1996年に大阪シンフォニカー交響楽団のコンサートマスターとして来日され、2001年からは関西フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを務められています。指揮者としても活躍され、現在はグルジア国立歌劇場の客演指揮者に就任し、日本と故国を行ったり来たりされています。
協奏曲をやる場合は事前に打ち合わせをするのがベストですが、今回はそれができなくて、いきなりオーケストラとの合わせになってしまいました。バブアゼさんの奏でる音楽は素晴らしい。しかし、僕がバブアゼさんの音楽をつかみきれずに、合わせることができなかった箇所がいくつかありました。それでも、優しく、そして熱心に接して下さり、僕のために何回も同じ箇所を練習して下さいました。本当に心から感謝するのみ。それに辛抱強く付き合ってくれたオーケストラにも感謝。こういうことは稀です。バブアゼせんのお人柄とオーケストラの「良い音楽を作ろう」という熱心さがあってこそ。ありがたいです。貴重な経験をさせてもらいました。次回の練習までにバブアゼさんとオーケストラが一体になれるよう、音楽をもっと読み込まなければ!
さて、バブアゼさんはモーツァルトの『管楽器のための協奏交響曲』も指揮されます。僕はこの作品には関係しませんが、練習を見学させて頂きました。バブアゼさんは、前述した通り、コンサートマスターであり、指揮者でもあられます。いわば、オーケストラの「生き字引」。勉強になりました。
さて、この作品の管楽器のソリストも素晴らしい!アマチュアとは思えない腕前。驚愕です。
さぁ、本番に向けてこれからだ!