瑞浪オリジナル
サウンド・オブ・ミュージック
2016年1月24日(日) 無事終了
チケット完売御礼
瑞浪市総合文化センター文化ホール
主催
瑞浪市教育委員会
お問い合わせ
瑞浪市教育委員会社会教育課(総合文化センター内)0572−68−5281
構成・編曲:
なかむらたかし
演出:加藤純子
指揮:
中村貴志
管弦楽:瑞浪市民交響楽団(客演コンサートミストレス:鳥居愛子)
出演:みずなみニューイヤーコンサート特別合唱団・劇団
合唱指導:森山孝光、小木曽実奈
練習ピアノ:森山康子、伊藤さおり
照明:テトラテック 内海豊司
照明:ステージクルー・インパクト 平博章
キャスト
マリア:
酒井和音
トラップ大佐:市川太一
子供たち:
後藤優奈、浅井玲香、林莉子、林玲美、
櫻井希実、高瀬清弥佳、藤田千鶴
修道院長:伊藤光代
ソリスト:小木曽実奈
晩年のマリア:玉木鈴代
ナチス軍将校:改田英男
R.ロジャース ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』より、
「序曲」
「サウンド・オブ・ミュージック」
W.A.モーツァルト アヴェ・ヴェルム・コルプス
W.A.モーツァルト モテット『踊れ喜べ、幸いなる魂よ』より、アレルヤ
L.v.ベートーヴェン 交響曲第6番『田園』より、第1楽章
R.ロジャース ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』より、
「マリア」
「私のお気に入り」
「ドレミの歌」
「サウンド・オブ・ミュージック」
「エーデルワイス」
J.シュトラウスU ワルツ『春の声』
R.ロジャース ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』より、
「すべての山に登れ」
「私のお気に入り」
「何か良いこと」
F.メンデルスゾーン 『真夏の夜の夢』より、結婚行進曲
R.ロジャース ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』より、
「マリア[結婚式]」
L.v.ベートーヴェン 交響曲第3番『英雄』より、第2楽章
R.ロジャース ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』より、
「エーデルワイス[コンテスト]」
「すべての山に登れ[エンディング]」
アンコール
R.ロジャース ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』より、
「エーデルワイス」
僕が「みずなみニューイヤーコンサート」の指揮をさせて頂いて5年、
2013年、
2014年に続き、今回も前売のチケットが完売。
前回は瑞浪市市制60周年記念の特別企画ということから2日2公演を打ち、合計で1400名近いお客様にご来場頂きました。瑞浪市制50周年記念の『第九』から瑞浪市の音楽事業に関わらせて頂いた者にとって、「みずなみニューイヤーコンサート」がここまで人気の高い企画になったことを大変うれしく思います。これはお客様のご声援をはじめ、このコンサートを中心となって運営されている瑞浪市在住のバリトン歌手森山孝光さんや女優であり演出家でもある加藤純子さん、瑞浪市民交響楽団の並々ならぬご尽力、瑞浪市総合文化センターの職員の方々の細やかなサポート、瑞浪市長の深い理解など、瑞浪の力の結集した成果なのです。
「みずなみニューイヤーコンサート」の継続が決まって再び指揮のご依頼を頂き、企画を立案することになりました。これまで続けてきた音楽(ソリスト・合唱・オーケストラ)と演劇のコラボレーションを踏襲し、物語のある構成にしたい。一方で、瑞浪市民交響楽団とはまだ交響曲をやっていないので、是非やりたいと思いました。そこで思いついたのがミュージカルの名曲中の名曲『サウンド・オブ・ミュージカル』をメインとして、場面に合わせてオーケストラの名曲を織り込み、晩年のマリアがこれまでの人生を振り返るという構成でした。
上演にあたり、台本を制作して今回の物語を具体化し、演出して素晴らしいステージを作り上げて下さった加藤純子さんこそ今回の最大の功労者といえるでしょう。
今回のキャスト・オーディションはこれまでで最もレベルが高かった。メインをミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』にしたのは、多くの人が知っている歌がたくさんある名曲だからという理由もありますが、キャストとして子供から大人までが参加できるということもありました。
マリアを射止めたのは恵那市出身で在住の酒井和音さん。
2014年の『ヘンゼルとグレーテル』以来の出演。自らのキャラクターを生かして溌剌としたマリアを演じ、主役として今回の「ニューイヤーコンサート」を盛り上げてくれました。
トラップ大佐は瑞浪市在住で恵那市職員の市川太一さん。市川さんはなんと僕が合唱指揮とテノール・ソロを担当した瑞浪市市制50周年記念の『第九』で初めて合唱をしたのがきっかけで音楽活動を始められたとのこと。その後は東濃地方だけでなく、名古屋でも活動を展開されています。今回ご一緒できて本当にうれしかった! 甘い声と熱演で観る者を物語に引き込みました。
修道院長の伊藤光代さんは中津川市出身。稽古中は幾度も壁にぶち当たりましたが、本番でいちばん良いものを披露し、物語の要所を引き締めました。
小木曽実奈さんと初めて共演したのは
「たじみ音楽祭2014」。その時に小木曽さんが瑞浪市出身・在住と知り、是非いつか地元の「みずなみニューイヤーコンサート」に出演してほしいと思っていました。今回教会の場面でソリストとして登場してもらって、初出演が実現。また、今回は合唱指導も担ってもらい、地元で大きな役割を果たしてくれました。
『サウンド・オブ・ミュージック』のトラップ家の7人の子供たちも出演場面が多く、歌あり芝居ありで、この物語の出来を左右する重要な役所。オーディションには19名の子供たちが応募してくれました。倍率2.7倍! どの子も甲乙つけがたく、僕は全員合格でもいいと思ったのですが、最終的にはミュージカルと同じ7名を選出しました。選ばれし子供たちは稽古を重ねるうちにどんどん水準が上がり、どこに出しても恥ずかしくない役者に成長しました。顔が役者のそれに変化していったのが興味深かった。
晩年のマリア役の玉木鈴代さんは瑞浪オリジナル「サウンド・オブ・ミュージック」の語り手として最も重要な役割を担いました。だからこそ演出家からも僕からも最後の最後まで厳しい要求がありましたが(笑)、本番はしっかりと物語を運んでくれました。その他、ナチス軍将校の改田英男さんをはじめとする俳優陣は時には笑いを誘い、時には要所を締め、演劇の面白さを観客に伝えました。
毎回鮮烈な存在感を示し、上手くなってきている合唱の出番が少なかったのが唯一残念なこと。それでも、清々しい歌声を披露して、「みずなみニューイヤーコンサート2016」を盛り上げてくれました。
今回は僕の指揮では初めて外国語の曲に挑みました。短い曲でしたが、発音やニュアンスにこだわり、美しく歌い上げてくれました。今後は外国語の曲にもレパートリーを広げてほしい。
「みずなみニューイヤーコンサート」を通じて瑞浪市民交響楽団を5年間指揮させて頂きました。正規の団員は少ないですが、エキストラで演奏して下さる方の大半が顔見知りで、全ての回で演奏して下さった方も多い。この5年で培ったものは大きく、僕の指揮者としての大きな糧となりました。奏者の皆さんに心から感謝致します。
今回は瑞浪市民交響楽団と僕との集大成として初めて交響曲に取り組みましたが、全楽章でないにしろ、良い形にまとまったと思います。特に『英雄』の第2楽章は迫真の演奏でした。
終曲の『すべての山に登れ[エンディング]』が盛り上がって物語を閉じ、カーテンコールを終え、オーケストラが退場しようとしても拍手は鳴り止みませんでした。アンコールは用意していませんでしたので、こちらは「どうしよう、どうしよう」という感じ(笑)。とりあえず僕が出てお辞儀をして、出演者たちを呼び戻して再びカーテンコール。それでも拍手は止まず、『エーデルワイス』をアンコールしようということになり、会場の皆様と一緒に歌って終演となりました。長くはない音楽人生でこんなことは初めて。これこそ本当のアンコール。本当に感激しました! このお客様の反応こそが今回の成功の証です。
「みずなみニューイヤーコンサート」は指揮者としての僕を大きく成長させました。瑞浪市の重要な文化事業に5年連続で関わらせて頂けたのはなんと幸せなことだろう! 決して忘れることのない大切な思い出であり、宝物です。関係者の皆様に心から御礼申し上げます。
今回は僕の中では集大成でしたが、終わりではありません。瑞浪を中心として東濃地方の素晴らしい才能の持ち主が終結して、質の高いパフォーマンスを繰り広げ、大好評を頂きました。出演者も観客も世代を越えて楽しめる瑞浪の一大イベントとして今後も継続していってほしい、また地方文化の可能性を広げていく創造的な場として発展していってほしいと切に願っています。
僕はここでの経験を糧としてさらに成長して、再び「みずなみニューイヤーコンサート」のステージに立ちたいと思います。皆さん、またお会いしましょう!
終演後、関係者全員で記念撮影。
トラップ一家とソリストの小木曽さん、演出の加藤さんとの記念写真。