平成26年度・全日本柔道選手権大会。
本来は観に行きたかったのですが、録画での観戦となりました。
まずは期待のウルフアロン・野村幸汰の両選手ですが、ウルフ選手は緒戦で元王者・高橋和彦選手に敗退し、野村選手は緒戦を勝利の後、上川大樹選手に敗れています。

そして、特に印象に残ったのは筑波大学3年・80キロの永瀬貴規選手の健闘。
準々決勝で高橋選手を破っての3位入賞は、昭和62年の同大会において同じ筑波大学3年・80キロであった岡田弘隆選手の姿を思い出しました。
岡田選手がその勢いをもって世界王者になったことを思うと、永瀬選手の世界大会での闘いぶりにも期待が高まるところです。

永瀬選手が高橋選手から奪った「有効」のシーン。
役員席にて自分の恩師である榎義治先生の姿(右から2番目)を拝見しました。
国士舘大学出身・牛島辰熊先生晩年の弟子でもある先生からは学生時代、技術もさることながら何よりも「心」を教えていただきました。
先生も同大会、ベスト8に残った実績を持っています。
決勝は上川選手と東海大学4年・王子谷剛志選手との対戦。
王子谷選手には失礼ながら、組み合わせが決まった時点では殆どの観戦者が「全日本王者・上川」、小川直也選手以来となる明治大学出身王者の誕生を予想したことかと思います。
上川選手は極めて好調、特に準決勝での足払い「一本」には執念を感じさせてくれていました。

が、結果は見事な大外刈により王子谷選手の勝利!
井上康生選手以来となる東海大学からの優勝者となった、現キャプテンでもある王子谷選手。
同級生には「サンボゴリラ」江藤康太選手もいるわけです。
準決勝以降、全てが「一本」決着であったことに象徴されますが、今大会は一本勝ちが多かったように思います。
試合展開も、昭和の頃のそれを思い出させてくれました。
「?」な点も多い近年の審判規定ですが、少なくとも観戦する側には柔道の醍醐味が伝わり、今回はプラスに作用していたのではないでしょうか。
一時期は軽佻浮薄な演出もあった「全日本柔道選手権大会」。
今年の大会は、格式高き伝統の最高峰として堪能させてもらうことが出来ました。

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