
発刊されたばかりの漫画「KIMURA」、さっそく購読しました。
原作は言うまでもなく「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」。
連載もされている作品ですが、雑誌で漫画を読むという習慣がなかったため、初見となります。
今回発行されたのは「第0巻」と第一巻。
異例の「第0巻」は、この作品が書かれた背景や一種の後日談ですが、単なる導入部にとどまらぬインパクトがありました。
ジャイアント馬場も登場する序盤こそ、複雑な背景のある(物語当時の)プロレス界の構図を比較的シンプルに捉えたり、プロレス以降も柔道界では特別な響きを持っていた「木村政彦」の名が、あたかも全く忘れられていたように描かれるなど、一般の読者にもわかりやすい描写でしたが、徐々にその筆致は思い入れの強いものとなっていきます。
第一巻からは、文字通り木村政彦の漫画版伝記。
もちろん完全なノンフィクションではなく、読みやすい漫画ならではのアレンジも多く見られますが、木村政彦を現代に復権させる、という強い意思が感じられるものです。
自分自身も高校時代に自叙伝「わが柔道」を読んで以来、憧れてきた「木村政彦」の名前。
実際に稽古もした方々からもいくらかのエピソートを聞いたこともあり、時には身近に感じることもありました。
ここ数年でのブームは、嬉しい限りです。
そして、漫画のほうはまだまだ序盤、続刊が楽しみです。
(文中敬称略)


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