今年から試験的に導入されるというIJF(国際柔道連盟)の新ルール。
多くの競技者・関係者にとって戸惑いを禁じえない、数々の変更点がみられます。

近年、比較的大人しい筆致が目立つ「近代柔道」誌・今月号でも大特集。
さすがに興奮気味に、各項目についての分析がなされています。

さらに、出色の論説で知られるサイトe-judoでも、新ルールに関するコラムがアップされています。
こちらは、今月スペインにおいて行われたIJFのセミナー内容について、参加された先生方による全日本強化合宿での伝達内容に基づき解説、さらに所感を加えたもの。
この中では、あくまでもIJFとしては「classic style」に戻すために、「一時の痛み」として仮に採用したルールであるとの主張が紹介されています。
どちらの記事でも、共通するひとつの結論は「国際大会につながるもの以外では、国内大会では旧ルールのままにすべき」といったものでした。
さすがの、卓越した見解だと思います。
「classic style」に戻す目的があるという、今回あくまで仮ながら採用されるルールでは、話題になっているように下半身への攻撃や両手で組み手を切ることが反則とされています。
そこに無差別級という思想は感じられません。
そして、その方向性からは、「姿三四郎」においてボクシングを始めて観た三四郎が言った「これは(柔道と違い)観るために考えられたものだ」という言葉が想起されてなりません。
ちなみに個人的には、岡野功先生が言われていたように道衣の厚さ・固さなどについて見直すなどの方策を望んでいます。
とにかく「講道館」の存在する日本の統括組織・全日本柔道連盟としては、その上部組織たるIJFとは敢て違った方法論で、本当の「classic style」を追求すべく、矜持を持った判断をしていただきたいと願います。

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