この話題は「競馬」なのか「アニメ」なのか、どっちなんだと(笑)
「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」第7話を見てちょっと時系列の整理を。
今回のエピソードの冒頭、雨の中のレースでメジロマックイーンが快勝、ナイスネイチャとイクノディクタスが敗れたレースは93年の産経大阪杯です(当時はGU、現在はGTの大阪杯)
記録を紐解くと実はこのレースは雨ですが良馬場、メジロマックイーンとナイスネイチャは共に単勝2.4倍と競った人気(マックイーンが1番人気と発表)
道中2番手に付けていたマックイーンが最終的に5馬身差を付けた圧勝でした。
2着のナイスネイチャは道中最後方に付け4角過ぎから猛追、上がりタイムはメジロマックイーンと同じ49秒、それで5馬身差ですからまさにマックイーンの圧勝だった事が判ります。
なおイクノディクタスはさらに3馬身離された6着でした。
さて、今回の主人公はライスシャワーでした。
ライスシャワーがミホノブルボンの三冠を阻止した菊花賞は92年です。
そして終盤でミホノブルボンに有馬記念の8着(1着はメジロパーマー、トウカイテイオー11着)と言う着順を責められていましたが、これも92年で菊花賞の次走でした。
さて、劇中ではメジロマックイーンが三連覇を狙う春の天皇賞にライスシャワーが出るのかどうかと言う部分がテーマになっていましたが、実際のライスシャワーは目黒記念(2着)日経賞(1着)と、月イチのローテを守って春の天皇賞に臨んでいます。
そしてその93年の春の天皇賞でメジロマックイーンの春天三連覇を阻止し「ヒットマン」の名を不動のものにした訳です。
実はこの辺はリアルタイムです。
ウマ娘のライスシャワーは「自分が勝つ事で周りが不幸になってしまう」と思い悩んでいる様子ですが、当時はむしろ寡黙な的場騎手とのコンビでまさに「クールで大胆不敵な刺客」と言う雰囲気でした。
その意味では、よしだみほの描く「馬なり1ハロン劇場」における鬼の金棒を担いで「菊花賞馬」のタスキを掛けて他馬の記録達成を阻んで回る(そして自身の天皇賞春秋連覇も阻む)不敵なキャラクターの方がイメージに近い気がしますが、現実のライスシャワーは壊し屋でもヒットマンでも無く、線の細い決して強そうに見えない馬でした。
実際、よしだみほの描くライスシャワーを見た当時の関係者は「ライスを強そうに描いてくれて嬉しい」と言っていたそうです。
さて、そのライスシャワーは93年の春天で勝利してメジロマックイーンの春天三連覇を阻止、その年の秋の天皇賞ではヤマニンゼファーに敗れて(6着)自らの天皇賞春秋連覇を阻止(苦笑)
その後の有馬記念こそがまさにトウカイテイオー奇跡の復活勝利のレースなのです。
さて・・・もしその93年の春の天皇賞がモチーフとなったレースが描かれるのなら、ライスシャワーがその次走として走ったオールカマーは描かれるのでしょうか?
そうです!このレースです!!
93年のオールカマーはツインターボがあれよあれよの大逃げで勝利しています!
さらにちょっと遡ると、実は93年の目黒記念ではマチカネタンホイザがライスシャワーに先着しているのです。
ライスシャワーは他馬の記録が掛かっていないと凡走すると言う傾向があったと言えますね(苦笑)
なお、アニメでライスシャワーを叱咤激励するミホノブルボンは菊花賞2着の後ターフに戻る事無く引退してしまいます。
産駒の重賞勝ちは無く、ブルボンの強さは血統ではなく厳しいトレーニングの賜物だったと証明する事になってしまいました。