新型インフルもあっというまに、関西から関東へと。京都観光にも大きな影響が、いつもなら人でいっぱいの清水寺の舞台も少ない。修学旅行生は一様にマスク姿、それを見る外人観光客は多分奇異に映っているのではないか。京都の大学は、ほとんどが休校のようです。
先日、大阪での打ち合わせのあと、昼過ぎ、梅田界隈を通りましたが、何と若い子が多いこと、多分、学校が休校になり、繁華街へと繰り出しているのだろう。梅田の地下街もいつもの賑わいが全くありません。歩くのは、マスク姿のサラリーマンばかり。
さぞかし、映画館もすいているだろうと思い、「グラン・トリノ」を見てしまった。ストーリーは、朝鮮戦争従軍経験者のクリント・イーストウッドが扮する老人と、その家の隣に引っ越してきたアジア系民族一家との交流を描いたもの。彼は、定年までフォードの組み立て工として働いてきた生粋のアメリカ崇拝主義者で、正義感あふれる頑固者。
最初は、隣人に住むアジア系の一家に対し、「こっちの芝生に入るな!」と嫌っていたが、いろんな事件をきっかけに、隣の息子との交流がはじまり、一家とも徐々に親密になっていく。最後は、その息子と一家のために、ひとりで武器ももたずに地元ヤクザと対峙し、殺されてしまうのですが、その姿は、まさに丸腰で敵に向かう「孤独のガンマン」と言うイメージ。
正義の味方、かつてのテレビ映画「ローハイド」の若かりし頃のカウボーイ役よりもこの老いたクリント・イーストウッドのほうがはるかにカッコいい、そしてエンドロールの歌もよかった。今のアメリカの抱える多く問題、例えば、多民族国家、アメリカ車メーカーの没落、戦争従軍者の心的ケアの問題、といったテーマも織り交ぜ、でも、正義を貫くアメリカ魂は変わらないと言ったメッセージ、「グラン・トリノ」はいい映画でした。
<「彼は人生の締めくくり方を、少年は人生の始め方を」と言う映画のコピー>
<少年を一人前にしようとあれこれと面倒みる、自身の死期が迫る>


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