京都で高いものと言ったら、まず京都タワー、JR京都駅ビル、そして、御池河原町の京都ホテルが思い浮かびます。しかし、ひと昔前の京都の高いものの代名詞と言ったら、「東寺の五重の塔」と「八坂の塔」でした。東山のシンボル「八坂の塔」は、高さ46m、江戸時代には人々に開放され、市中展望の名所だったとか。
今を生きる我々にとって、高いところに上ることは、珍しいことではなく、100mの高さなどは日常的な空間になってしまっています。しかし、江戸時代の人々にとって、この八坂の塔の46mという高さは、かなりの非日常的な空間だったのではないでしょうか。
八坂の塔、正式には、法観寺といい、二年坂近くの立て込んだ民家の間にあります。狭い路地の坂道から、見上げると実際以上に大きく見える塔です。この路地には、酒屋さん、料理屋さん、土産物屋さん、など住む人の生活感があり、歩くと、いかにも京都という風情が感じられるところです。私の好きな路地のひとつ。
<狭い路地から見上げると結構高く見える「八坂の塔」>


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