物の外観の見え方を考える時、例えば開発者が使用者に伝えたい何かのメッセージの伝達手段として利用するのは有効な手段です。
イメージと言うものは、どのような人にもどのようなレベルでもそれなりの評価が出来る物で、形を開発する時は専門的な知識を必要としますが、それが使われる時点の評価をする権利は万人が持てる特権です。
その事は、開発者がエンドユーザーに伝えたいメッセージを選りすぐって理解しやすい内容にしなければなりません。このような広い対応を求められるのが工業デザインというものの仕事の本質で、工芸デザインとは決定的に一線を引く事ができます。
私は大学で専攻したのは工芸デザインに付いてでしたが、当時から幅広い対応が必要な工業製品に魅力を感じるようになりました。
工芸品のように特定の人々が満足できればそれで成功と言うものではなく、常に巾の広い鋭いメッセージへの対応の必要性が何とも魅力的に感じていました。より人間くさい仕事と思えたからです。

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