「ねぇ、空を自由に飛び廻るってトッテモ素敵な体験なんだろうね!
ボクはペガサスに乗った騎士やヒポグリフは見た事があるんだけど
大きな鷹に乗ったエルフを見るのは初めてだよ。彼等が鷹の背中に立って
鞍も着けずに空を飛ぶ姿は何だか危なっかしくてヒヤヒヤするよ^^」
ボクの話を2人とも聞いてないのは明白だね。アルヴィンは拳を握り締めて戦場を
食い入る様に見詰めているし、シルヴァラは両足が鹿の蹄みたいになっちゃった
風変わりなエルフの事が気になるみたい。アスライの戦士達って大きな鷹とか
デッカい木の精霊やチョッと見たら女の子に見える木の精霊とかがいて
ボクが想像した森のエルフの軍隊とは全然違ってたけど面白いよね^^
ビュン!と空気を切り裂く音がして「最強王座タイトルマッチ」がスタートだよ。
森の王様が放った剛弓はルーエン公目掛けて一直線!いきなりビーキュイに
矢が刺さってボクはハラハラしたんけどアルヴィンは精一杯の強がりさ^^
「あれしきの攻撃では怯むはずも無い。見よ!ビーキュイの湧き上がる生命力!」
クーロンヌのお城に帰ればアルヴィンにも愛獣のヒポグリフがいるらしいんだけど
きっと自分が戦ってる気分で心は戦場に飛んで行っちゃってるんだね。
「もうアルドールったら!ペガサスを1騎しか落とせないなんて魔法の矢が
勿体無いじゃないノ!きっとヴェルーダに気を取られて集中してないのネ。」
あれ?いつもはノンビリ屋さんのシルヴァラもチョッと感じが違うよね?
鹿の蹄のエルフが放った矢が空中で数を増やしペガサスナイトに降り注いだ時は
ボクも驚いちゃったけど彼が集中してたらドウなってたか知りたいよね^^
「見よ!これぞブレトニア騎士の怒涛の突撃!受け止める事など不可能なり!!」
ビーキュイが倒れてションボリしてたアルヴィンがカイエン王子達3部隊が並んだ
迫力満点の突撃を見て元気を取り戻したよ^^エルフ達の騎兵は呆気無く倒れて
騎士達の1部隊は勢いに乗ったまま全速力で駆け抜けて行ったんだ。
「カイエン王子は何を迷っておられる?騎士に躊躇いは禁物ですぞ!」
「ヴェイラリオスって相変わらず薄情ネ♪でも正面の敵ばかりしか見えない
ブレトニアの王子様には良い薬になるワ^^さぁ!アルドール頑張ってネ♪」
立ち止まってたカイエン王子と聖杯騎士達は「薄情者」って呼ばれちゃった
エルフや鹿の蹄のエルフに横から突撃されて全滅!勢いに乗ったエルフ達は更に
並んでた騎士達の部隊にも横から襲い掛かってやっつけちゃったよ。
「突撃の勢いと決断力をエルフから学ぶ事になろうとは・・・」
ブレトニアの騎士って突撃の迫力は満点だけど横からチョッカイ出されると
意外にアッサリ倒されちゃうんだね。シルヴァラの友達?達の勢いは止まらずに
見習い騎士達まで全滅させてアルヴィンはスッカリ大人しくなっちゃったよ。
おや?エルフ達の勢いは止まんなくて今度は聖杯騎士に突っ込んで行ったけど
チョッと調子に乗り過ぎじゃないかな?あぁ!ヤッパリ弾かれちゃったよ。
「もう!アルドール逃げちゃダメ!!あぁ良かった^^戻って来たわネ♪」
考えてみるとシルヴァラは最初から最後まで鹿の蹄のエルフばっかり応援してて
敗走しても二回も戻って来た彼の戦いに一喜一憂!でも最後に聖杯騎士との
一騎打ちで倒された時にはチョット怖い顔をしてアルヴィンを睨んでたよ^^
もう2人とも王子様や鹿の蹄に夢中でボクもウッカリしてたんだけど
王様同士の一騎打ちってドウなったの?タイトルマッチはブレトニアに
軍配が上がったんだけど肝心の名勝負を見逃しちゃったみたいだよ^^