俺は下宿していたが、友達のいる学生寮に入り浸っていた。
寮は築100年くらいたってて。
全ての学年が分け隔てなく生活してて、おもちゃ箱ひっくり返したみたいな混沌さ。
壁が取り外され、明確な隣との境界がなかったり。
長い廊下にコタツとか、カヌーがあったり。
本当に学生かと思うようなおっさんがいたり。
壁の落書きが、宇宙の法則とかアインシュタインの法則だったり。
それも25年位前のヤツ。
歩くと誰か寝てて踏んづけたり。
そんな空間が大好きで、ほとんど生活してた。
男はでたらめな空間が大好きなのだ。
そんなことを思い出した映画「ワンダーウォ―ル」
京大の吉田寮がモチーフで、取り壊しに学生たちが反発する。
実際には寮の存続について、昭和の時代から溝があり。
長年、大学と寮自治会の間で話し合いが行われてきた。
事実裁判で10年くらい争われていて、現在係争中だ。
なけなしの金で、卵1パック買って1週間くらい生きれると思ってたら。
留守中に先輩が1パック全部卵焼きにしてた。
泣きながら抗議すると。
せっかく焼いてやったのにと理不尽な反撃をされた事。
未だに思い出す。

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