チルという言葉
世間的に流行りはじめているとの噂をちらほら聞く。
噂のソース?
それは勿論、ネットニュース。
皆さんもぜひ調べてほしい。
コーヒーを飲んで寛いだり、海を見ながらリラックスしたり
そんな時に「チルってる。」
なんて使うのが流行っているらしいが、
チルという言葉について、我々もおおよそ同じようなニュアンスで使っている。
「この釣りはチルや!、「集中力切れたからチルしよ。」とか
「あーめっちゃチル」などあまり決められた使い方をしておらず、
あくまで広義、まさにチルな使い方をするのである。
ちなみに釣り以外でも安くて旨くて落ち着く居酒屋があれば、
我々はそこを「チルな飲み屋」と呼ぶ。
僕がチルという言葉を使い始めたのはおおよそ、5〜6年前。
マサがアメリカの高校から、日本の大学に進学したときである。
Chillのメンバーであり、
マサの実の兄であるkimiと元々友達だった僕は
「アメリカから来た弟の釣り人」としてマサを紹介された。
歳が近い事もあり、すぐにマサと打ち解けた高田は、
一緒に五島列島に遠征をすることとなったのだが、
そこでマサが呟いた言葉を僕はひどく気に入った。
「五島列島はチルっすね」
チルの意味を聞き、気に入った僕は日常から「チル」という言葉を使い始めた。
まさに五島列島が僕自身にとってチルな場所であったからシックリ来たのである。
アメリカから来たマサが日本語として使ってたチルという言葉、
6年後、我々のプロジェクトの名称として使われるとはその時に考えてもいなかったが、
何年もチルと使い続けてきた我々はこの名前にするという案が上がった時、
満場一致で採用となった。
とまぁ、何が言いたいのかというと
これだけチルなものを求めてきた我々は当然チルが好きだし、
自然にチルという言葉が流行り始めているということは世の中の多くの人もチルな事が好きなのである。
そして今年我々は関東エリアから少し足を延ばすだけで味わえるチルな釣りに出会ったという事も皆さんに伝えたい。
それは伊豆エリアのスロージギングである。
伊豆のスロージギングがチルである所以。
まずはそこそこ釣れ続けること。
やっぱり釣りなのだからあまりに釣れないのはチルと言えない。
そしてそこそこ引く魚が釣れること。
魚の引きも僕らを癒してくれる要素のひとつである。
ただ釣れる魚が全てあまりに引き過ぎると疲れるので、そこそこの引きの魚は嬉しい。
何が起こるかわからない中深海の意外性もアクセントである。
このタコたちは着底と同時にジグの両端を抱いてきた。
狙ってはできない偶然がくれた面白さの塊である。
そしてチルな合間に訪れるガチなファイトも魅力。
チルと言う言葉からはずっとダラダラしてそうなイメージを持たれるかもしれないけど、
我々はチルな時間を生かすためにはストイックな場面も必要だと考えている。
ストイックがあるからこそチルが輝くのだ。
まぁあとは、
写真からチルさを感じ取っていただきたい。
チルとはきっとフィーリングだからね。
オニカサゴとピルスナービール。
もしかするとこの写真からチルさを感じ取る人が一番多いかも。
熟成させたオニカサゴの鍋は最高にチルだ。
fin

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