共産党からの共闘呼びかけへの民主党の対応およびゴタゴタだが。
民主党右派の人たちというのは、「民主党の国会議員が増えたら困る」人たちなのだ。
民主党右派というのはそもそもなんで民主党なんかに居るんだろうという不思議な人達なわけだが、この超少数派の人たちが民主党の中を牛耳っている。
政党の中では「国会議員が偉い」という形なので、民主党の国会議員が増えたら自分たちの権力が薄まってしまう。なので自分のところの選挙区だけ安泰であれば、民主党全体の利益、民主党支持層の利益などどうでもいい、という人たちである。(選挙区が安泰じゃない右派の人は、そもそも民主党に来ない)
これが前提であって、共産党と選挙協力して、前回落っこちたリベラルや左派がまた国会議員を出して来るというような話を、あの人たちが承服するわけもないのである。
で、民主党右派のポジションを支える論理といえば、例えばこんなのである。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45450
田崎史郎、首相にメシを食わせてもらう事がどのような効果をもたらすかという標本として、今のうちにホルマリン漬けにしといたらいいんじゃないかと思うが、
「民主党はPKO法を闘った社会党のように没落する」というものだ。
まず、これは歴史修正主義というものであり、社会党はPKO闘争の直後の選挙で森田健作を押して統制かけるというようなことをやり、右派と左派に引きちぎられる形となって解体したのだ。森田健作は当選後に民社党会派に入るというオマケもついた。
PKO法を闘ったからではなく、PKO法を闘った人たちを切り捨てることで没落した。
すなわち、「誰がそんなどっちに転ぶかわからんようなもんに投票するねん」という話である。
で、「これでは民主党は没落する」。
本当か?
民主党の得票数が最もクソ最低だったのは、2014年7月の参議院選挙であり、比例区を合わせた数は 7134215票である。この数字はなにかというと、連合800万であり、100万ほど社民党に回っているのである。
すなわち、この時点で民主党には「連合以外の誰も投票していない」のである。
この数字が底であって、これ以上は連合が崩壊しない限り、民主党がどれだけマヌケでも下にはいかないのである。
つまり、民主党は去年の夏で完全に没落しきっており、自民党と闘うことでちょっとづつ這い上がっているのである。
ここから先は、民主党が選挙民の期待するところの事をして、選挙民が民主党に投票する理由を作っていく事しかないではないか。
安保法制の闘いは、人々が「民主党に投票してみようかな〜」と考える理由を作る、民主党にとっては千載一遇のチャンスなのであって、これをスルーすることを主張する人などは「他に別の利益のある人」か「ものっすごいアホな人」のどちらかでしかありえない。
最後に、共産党の側は、この共闘呼びかけについて、民主党が応えようが応えまいが、別に不利益は無い。
民主党が断ってきたら、共産党は勝手に民主党の左派・リベラル部分ばっかりを支援して、右派を潰しにかかったらいいだけの事だからだ。
先に共闘呼びかけているんだから筋が通らんことはないし、外から民主党の権力構造に手を突っ込むという芸ができる事になる。民主党の右派ヘゲモニーが崩壊すれば、それは明らかに共産党にとって利益である。
民主党右派にはあまり選択の余地はないのが実際のところなのではないか、と見る。
とまあ、常識的な話のおさらいだが、一応メモっとく。

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