厳しい状況下でのこの手の批判というのはいかがなものか、という考え方もありうる。
しかしながら、我々はこれまで何度も、原子炉の事故のたびに電力会社のえらいさんがならんで頭を下げるのを見てみた。その上で今日のこの事態があるのであって、ここに至って配慮などをするのは、将来に禍根を残す事になるのではないかと思うので、あえてやらかす。
もうひとつ、原発がこれまで止まらなかったのは、俺らがこれまで負けてきたせいである。その敗北に対する責任というものがあると考える。
昼に郵便局いって多少の義捐金入れてきたので、自らそれで免罪しちゃった事にする。
でだ。
東京電力というのは、学生の就職人気企業ランキングの今年の30位という会社なわけだが、なんでそれがあんなアホの集団なのか?記者会見でならんで頭下げてたネクタイしめた連中は、どういう種類のアホなのか?
そもそも、今回の事態、
地震→発電所の設備壊れる→原子炉の制御不能→暴走
というシナリオは、これまで原発反対運動が長年に渡って幾度も幾度も主張してきたシナリオの全くそのまま、その通りである。
今回の事態は、シロウトでも容易に予測できるものだったのだ。
その極めて単純明快な予測を、奇怪な信念によって「それは絶対に起こらない」と信じるカルト的アホ集団が東京電力であり、各電力会社であったわけだ。
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安全のはずが命がけ…怒る自衛隊・防衛省
放射能汚染の懸念が一層高まる事態に、自衛隊側からは怒りや懸念の声が噴出した。関係機関の連携不足もあらわになった。
3号機の爆発で自衛官4人の負傷者を出した防衛省。「安全だと言われ、それを信じて作業をしたら事故が起きた。これからどうするかは、もはや自衛隊と東電側だけで判断できるレベルを超えている」。同省幹部は重苦しい表情で話す。
自衛隊はこれまで、中央特殊武器防護隊など約200人が、原発周辺で炉の冷却や住民の除染などの活動を続けてきた。東電や保安院側が「安全だ」として作業を要請したためだ。
炉への給水活動は、これまで訓練もしたことがない。爆発の恐れがある中で、作業は「まさに命がけ」(同省幹部)。「我々は放射能の防護はできるが、原子炉の構造に特段の知識があるわけではない。安全だと言われれば、危険だと思っていても信じてやるしかなかった」。別の幹部は唇をかんだ。
(2011年3月15日14時47分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110315-OYT1T00496.htm
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東電や保安院が「安全」だと言った。
なぜ、事ここに及んで、自衛隊に対してこういう明白なウソを垂れ流すなどという事ができるのか。
それは、これまで電力会社や保安院の奴らが、「日本の原発は安全です」という事以外の事を言った事がないからではないのか。
こういうのを「アホのひとつ覚え」という。
完全に非常事態になっても、アホのひとつ覚えを繰り返す事しかできないアホを、アホと呼ぶ。
電力会社や関連企業の奴らが「日本の原子炉は安全です」と言う時、それはなんの事実関係も根拠も踏まえたものでもなく、奴らの金儲けのために必要な条件であるからそれを繰り返し言っていたに過ぎないのだ、という恐ろしい事実が明らかになったと言えるだろう。
世の中にはクズの学者が掃いて捨てるほどいて、そいつらが電力会社のニーズに合わせて「日本の原子炉は安全です」というデータや理屈をかき集めてきて、「日本の原子炉は安全です」という壮大な虚構を作り上げた。
そして、電力会社では、この虚構を信仰する奴しか、出世できなかった。
電力会社は意識的に、アホ集団として組織されてきたのである。
で、その奇怪な信念を持つアホ集団が、原子力発電所という極めてヤバイもんを運営していたわけだ。
で、今後だが、電力会社を国有化するしかないのではないだろうか?
あの危険なオモチャを、商売人の手から取り上げるのには、他に方法があるだろうか?
脱原発の主張はかなり大きなものとして存在したわけだが、電力会社は巨大なキャンペーンでそれを押しつぶした。「原子力は安全です」「日本の生活にはもっと多くの電力が必要です」。こういった事が、商売人の商売として成立しているわけであって、商売人に商売をやめろと命令する事よりも、商売を取り上げてしまう事の方が現実的ではないだろうか。
実際、株価が1円になったら国有化できんじゃないだろうか。
電力事業は必要だ。
しかしそれは発電所で働いたり電線修理したりする現場の人々が必要なんであって、金儲けの算段をしているネクタイしめてる連中ではない。

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