子供でも考える事がある。
「各選挙区の得票を見ていくと、民主党と共産党の得票を足せば自民党を落とせるんじゃないのか?」
もちろん、民主党に投票する奴と共産党に投票する奴は政治的見解も利害関係も一致しないが、このような自民党の圧勝というのは、両方の利害に反するのではないのか?
然るに、実際には選挙はあのような形の展開となり、古い利害調整型の党であった自民党は、新自由主義の党として生まれ変わった。
こんな結果は、投票の前から見えていた事である。
「なぜ、自民党が支持されてしまったのか」以前に、小泉圧勝を阻止できなかった野党陣営の政治責任は果てしなく重い。
ほぼ全ての選挙区に、落選する為にだけ候補者を立てる日本共産党、あれは一体、なにがやりたいのか?
日本共産党自身の説明によると、「小選挙区に立候補して宣伝する事で、比例区への投票を呼びかける事ができる」というものなのだそうだ。
例えば、「柿の実がとりたいから」という理由で柿の木を切り倒す奴がいたとすれば、世間は例外なく「そいつはアホだ」と認知するであろう。まあ、世の中にはそんなアホはそんなにはいないのであり、世間の判断というものは大体において合理であるとか常識であるとか科学であるとかによって調整される。
ところが、このレベルの驚異的なアホ行為を、国政選挙という実にシャレにならん場に於いて、何十年もやり続けているアホが、実際にかなり大きな集団で存在しているわけである。
これはサヨクの文脈で言うとどういう事になるのか?
マルクスレーニン主義の話でゆーと、「主要打撃論」と「人民戦線論」という2つの流れがある。
社会民主主義や改良主義・「プチブル急進主義」の潮流にどう対応するか、という話であってだな、
「主要打撃論」のは、社民やプチブルの党に、労働者階級がダマされておる、これはけしからん、従って、まずもって、これらのヒヨリミ潮流を叩きつぶし、「正しい唯一の労働者階級の党」への労働者階級の結集を促進せねばならぬ、という路線である。ちなみに内ゲバなんかもこの線に従って行われているわけで、両方が「自分が正しいマルクスレーニン主義の党で、相手がヒヨリミ潮流」と主張しているからややこしいだけである。
一方、「人民戦線論」つーのは、読んで字の如く、党派を超えて連合して、人民戦線こさえてダマになって闘いましょうという方針である。ファシズムが台頭し、これに対抗しやなあかん、という展開でこういう路線が出てきた。バラで闘っていたのでは、各個撃破されてしまう、という危機感からこういう路線がでてきた。
まあ、実際のところ、スペイン内戦のときなんかは、人民戦線政府がフランコのファシスト軍と闘ったわけであるが、共産党が途中で主要打撃方針思い出してアナキスト狩り始めちゃうという無茶苦茶な展開の中で負けちゃっている。
でだな、これのどっちが正しいのかとかそおゆう話じゃなくて、これは、「この情勢でどちらの戦術を採用するのか」という話である。
こういう使い分けをして、人を利用してやろうというような種類の奴らは、私は嫌いであって、なるべく関わり合いになりたくない相手だが、そもそもマルクスレーニン主義というのはそういう人たちの運動である。
で、日本共産党は、現状について「人民戦線戦術を採用するようなファシズム情勢ではない」という判断をし、それが今回の選挙結果なのである。
実際問題、日本共産党の今回の総括は、信じがたい事に、
> 今回の総選挙で、日本共産党は、改選前の九議席を確保しました。比例代表選挙で、得票率を若干減らしたものの、得票数を伸ばし、四百九十二万票を獲得しました。この結果は、善戦・健闘といえるものです。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-09-13/2005091301_01_0.html
>
というものである。
この状況で、善戦・健闘したといっているような連中が、なにかの拍子に目を覚ますことなどあるのだろうか?

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