★このアルバムに出会った時の事はよく憶えている・・7〜8年前に旭川のCD屋さんで、CDを何気無く見ていると、見覚えのあるジャケットのCDが目にとまった。<バーバラ・キース>?でも知らないよな・・でも、何処かで見ているよなこのジャケットは。 はて、どこで見たのだろう?思い出せない。手に取って良く見てみる。参加ミュジシャンが凄い超一流ばかりだ・・ ただそれだけの理由で、何を血迷ったのかこのアルバムを衝動的に買ってしまったのだが。 でも、だが、しかし、それを聴くと、「他にも欲しかったアルバムは沢山あったのに、よくぞ躊躇もせずに誰かも判らぬままに、このアルバムを買ったお前は偉いぞ」と自分で自分を誉めたくなる程の素晴らしく充実したアルバムだったのでした。それが《1973年作のバーバラ・キースのセカンドアルバム》私的には一曲もハズレの無いアルバムだと思っている。それもその筈、殆んどの曲が後にいろいろなミュジシャンにカウ゛ァーされた曲ばかりなのだから。
一流のバックミュジシャンの演奏も良いがバーバラの歌もまた良い、まだ青く不安気で寂しく 、それでいて芯の強さが感じられるボーカルと自然に湧き出した様な美しいメロディー。今では私の愛聴盤の一枚。
★ところで不思議なのは、こんなに素晴らしいアルバムをたった2枚だけ残してバーバラは姿を消したのである。何が有ったのか分からないが、そのままやっていればメジャーなシンガーソングライターに確実になれただろうに。バーバラを聴いた方なら分かってもらえると思うが、歳を重ねたバーバラも聴いてみたいはずだ。今からでも遅くないので生きているのなら出てきてほしいものだが、人にはそれぞれ言われぬ訳ってものもある、だからそれはもう今更無理な話なのかもな・・そう思うと残念・・でもやっぱりモッタイナイな・・だから尚更残念。
全10曲中9曲がバーバラのオリジナルで、アルバムの1曲目が唯一のカウ゛ァー曲。ボブ・ディランの「見張り塔からずっと」これもなかなか良いよ。
冒頭に何処かで見た事のあるCD?でも思い出せないと書いたが、後にそれは某音楽誌であった事が判明した。そこにはスワンプロックの名盤と紹介されていた。それが頭に残っていたんだろうな。今思えばラッキーだったと言うべきか、運命的だったと言うべきか。当初軽い気持ちで買った一枚は、今では重い大切な一枚になったのでした。 ちなみにファーストアルバムは出ているはずなのだが、見たことも聴いたことも無いのでした。廃盤なのかね? もう少し探してみますが。


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