三条陸版フレッシュプリキュア 最終回〜使命〜です
このシリーズも今回で完結です
まさか投稿文字数限界を余裕で超えてしまっていたとは・・・
いよいよ、私が一番書きたかったシーンです!
衝撃のラスト!!
笑っても泣いてもこれが最終回!
それでは・・・どうぞ
出会いは奇跡
別れは・・・
「少々お待ちを・・・僕にも一言・・・祝福の言葉を言わせてくださいよ・・・」
若い男の声に皆が振り返る
「!!!!!」
そこには・・・
首と左腕の無いサウラーがいた
サウラーの頭部は右手に抱えられてあった
頭部が喋る
「あのラビリンス総統メビウスを倒し、地上破滅を食い止めたプリキュア達の大健闘・・・いや・・・大奇跡に・・・ね!」
「ば・・・バカな・・・!」
一番驚いているのはサウラーを斃したベリーだ
「ほ・・・本当に不死身なの!?」
その問いにサウラーは首を“取り付けて”答える
「『首がちぎれて生きていられる生物はいない』・・・か、君の台詞だったねね・・・
確かにそうかもしれない・・・生物だったらね」
「!?」
「僕の身体が生物でないとしたらどうかな。機械仕掛けの人形か何かでそれを操っている奴が他にいるとしたら・・・」
「!!」
ベリーは気づいた
さっきの言葉はサウラーに言ったものではない!今の言葉を・・・あの時聞いていたのは・・・誰!?
バサバサバサバサバサッ・・・
突如、サウラーの懐に忍ばせていた本が飛び出し、ページが勝手に開いた
さらにそれは光を放ち、一つ目のピエロ姿に変わった
「そう・・・僕が・・・本当のサウラーさ・・・!!」
衝撃的な告白に、皆が一様に驚く
「・・・フフッ!驚いたようだね。君達人間の世界にもいる腹話術師の逆さ
僕がこの人形を操り、自分が声色を使って使い魔の方を演じていたのさ
したがって人形の方を攻撃されても痛くも痒くもない!!」
「・・・不死身な・・・わけね!」
唇を噛むベリー
「厳密に言うと、斃す方法がたった一つだけあるんだよ。首を撥ねるのではなく顔面を叩き割ればいいんだ。
でも、やらなくて良かったよ」
そういうとピエロのサウラーは、耳の側のスイッチを押した
カララン
剥がれる美少年の仮面
その素顔は・・・
「め、滅砕爆!!!」
「そうだよキュアパッション!」
サウラーは雄弁に語る
「もう知っているかもしれないけど、僕の本当の主は別のパラレルワールドのマカイ王ヴェルザー様だ
僕はヴェルザー様の命令で、ラビリンスについた・・・表向きは協力者だが、機を見てメビウスを倒せるようならば、この人形の滅砕爆を使って奴を倒せと仰せつかっていた
ヴェルザー様はメビウスと違って地上も欲しいんだ」
「そ・・・そんな・・・別の世界で岩になってしまっている奴がどうして!?地上を手に入れたって仕方ないじゃないの!」
ラブが叫ぶ
「知るもんか。あの方は欲深いんだよ・・・人間みたいにね!」
ピエロのサウラーは人形の額のスイッチを押した
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ・・・
不気味な電子音が鳴り始めた
「さあ、お別れだ。僕は一足先に帰るよ。メビウスは上手く君らが片付けてくれたが、逆に彼以上の強さを持つ君達はとても危険だ。地上の人間と共に消えてくれたまえ・・・・」
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ・・・
「ひょっとしたら、そこの柱の滅砕爆も誘爆してしまうかもしれないけど・・・まあ、何とか地上が平らになる程度で済むだろう・・・ケケケッ!」
サウラーは憎たらしいばかりの笑みを浮かべた
「プリキュア・ラブシャンシャイン!!」
ラブはピーチに変身し、爆弾を止めるべく光のエネルギーを放出した
ドシュウウウウ!
エネルギーは滅砕爆に命中した、しかし!
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ・・・
爆弾のカウントダウンは止まらなかった
耳をほじりながらサウラー言う
「ああ・・・言い忘れていたけど、光の力では止められないよ。その人形のエネルギー源であるマカイマグマの暗黒闘気がはじいてしまうからね!」
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ・・・
「あと10秒・・・打つ手はない!」
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ・・・
「さようならみなさん。そして愛しい地上よ!
無人の荒野になってから・・・また遊びに来るよ・・・」
ピエロのサウラーが人形から離れ、逃げ込もうとした瞬間・・・
はじかれたように飛び出した者達がいた・・・!!
キュアピーチ
キュアベリー
キュアパイン
キュアパッション
まずはベリーがピエロサウラーの動きをソードの衝撃波で止める
その横からピーチとパッションは爆弾と化した人形を抱え込む
動きの止まったサウラーにパインのヒーリングプレアーオーバードライブが炸裂
「いっ・・・急ぐよ!せつな!!!」
「てやぁああっ!!」
ピーチはエンジェルにフォルムチェンジ、パッションはティアラの翼を大きく広げ、猛スピードで人形ごと上空へ
「・・・ち・・・畜生・・・だが・・・もう・・・アウト・・・だ・・・」
オーバードライブの影響でピエロのサウラーは絶命し、身体は地面に溶けていった
上空
ピッ、ピッ・・・
人形のカウントダウンは止まらない
「・・・結局こうなっちゃったね・・・だけど・・・もう手放している時間はないわ!」
「・・・・・・。」
キュアエンジェルの会話にキュアパッションは答えない
ピッ、ピッ・・・
「・・・けど、せつなとなら・・・悪くないわ!・・・ねえ、せつな!!」
「・・・・・・。」
爆発まであと4秒
せつな(キュアパッション)はもう決断していた
彼女は・・・ラブは・・・死なせない!!
爆発まであと3秒
「ごめん・・・ラブ・・・!!」
「えっ!?」
ドン!
せつなはラブ(キュアエンジェル)を蹴り飛ばした
爆発まであと2秒
「ど・・・どうしてよおっ!!せつなあああああああああっ!!!」
キュアエンジェルからキュアピーチに姿が戻り、落下していく
大粒の涙を零しながら
爆発まであと1秒
・・・許してラブ
こうする事が・・・!!
こうして自分の大好きなものをかばって命をかける事が・・・!!
わたしの使命なのよ!!!!
ピーチがもう一度フォルムチェンジし、空中で振り返ったその瞬間
太陽がもうひとつ生まれた
「せつなッ・・・馬鹿ああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」
初めて叫んだ・・・
彼女に対して馬鹿という罵声・・・
それは爆発の音と爆風に消されることは無かった・・・
やがて、太陽はひとつに戻り、何事も無かったように青空が広がった
それから数週間・・・
ラブたちは山を海を・・・
世界中を探し回った
伝説のプリキュア達も協力して探してくれた
だが、キュアパッション東せつなの行方を全くつかむことが出来なかった・・・
クローバーヒルの展望台に飾られたパッションハープ
まるで四つ葉町を見守るかのように
「せつなちゃん・・・全てのパラレルワールドは救われたわ・・・みんな平和に戻った・・・あなたのおかげだよ」
祈里が呟いた
「それなのに・・・肝心のせつなは・・・」
ラブの目は真っ赤だ
ここ数週間、夜になると消えた彼女の事を思い出しては泣いている
「・・・“真のプリキュア・パッションハープ”・・・まるでお墓じゃない・・・縁起でもない・・・!!」
美希はついつい悪態を付く
せつなが死んだ事を認めたくないからだ
「・・・全くやで!」
沈みがちの3人の後ろから“けったいな関西弁”が
「「「タルト!」」」
「冗談やないでベリーはん!それはパッションはんが帰ってくる時の目印なんやから!」
「「「ええっ!?」」」
驚く3人
「なあカオルはん!」
「OK兄弟・・・見て、そのハープの輝きを。そのハープはせつなちゃんのためだけに作られた生きた武器・・・
せつなちゃんが死ねばこのハープも光を失い息絶える・・・」
カオルがハープを指差す
「どうだい?光は消えているかい?」
パッションハープは眩い光を放ち続けている
つまり・・・生きている!
せつなは・・・生きているんだ!!
「でも・・どこに!?カオルちゃん」
「祈里ちゃん・・・それはわからない。別のパラレルワールドの可能性もある・・・テンカイや・・・マカイ・・・かも・・・」
「・・・どこでもいいじゃない!」
「「ラブ!!」」
「生きて・・・生きてさえいれば・・・!!また会えるって!!
だってせつなの帰ってくる所は・・・四つ葉町(ここ)しかないんだから!!!」
ラブは満面の笑顔と涙を見せながら、両手を広げた
パッションハープは今日も光を放ち続けている・・・
ラブは誓う
「そうよ
せつなが戻るその日まで
私達が世界を守っていこう」
美希が言う
「いつかせつなを見つけても、せつなが自分で帰ってきても、美しい大地や街並みや・・・平和な人々の暮らしを見て・・・」
祈里が続く
「これが・・・私が守った地上なんだと誇らしく胸を張れるようにしよう・・・!」
再び、せつなが帰ってくるその日のために・・・・!
FIN

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