「目を閉じるとジャズバーで聴いてるみたい」 (24歳 会社員 男性)
「これは普通にいいな」(28歳 会社員 男性)
「音に包まれるようだ」(28歳 会社員 男性)
「良い音って言わないと殺されると思ってたけど、これは素直に良い音と思える。」(45歳 男性 自営業)
「これをもう1セット作ってくれ!」(24歳 会社員 男性)
俺スピーカー完成から二週間が過ぎ、試聴者からは早くも驚きの声が寄せられている。
そして何より、一番驚いているのはこの俺スピーカーを作った俺本人だ。
借り物の技術とは言え、一作目にしてこれだけのスピーカーを作れてしまった事は本当に嬉しい驚きである。
作ってみて分かったのはこのタイムドメイン“Yoshii9”というスピーカーの機能美に溢れた設計。
一見奇抜に見える外見は、確かな技術と理論に裏打ちされた全く無駄の無い構造だった。
市販のオーディオ製品の中には、俺でも分かるような見た目だけの奇抜さや、ただ奇抜なだけのアイデアを使った無意味な製品も多い中、この“Yoshii9”は間違いなく本物だ。
果たしてこの俺スピーカーにその技術の何割(何分?)が再現出来ているかは分からないが、それらの技術の片鱗に触れれただけでも作った甲斐があったと思う。
で、肝心の音の具合だが、やはり録音してアップする訳にもいかず、非常に困難ではあるが文章で表現さしてもらうしかあるまい。
一言で言い表わすなら
「スピーカーの存在を感じさせない音」というとこか。
これは俺スピーカーのユニットの取り付け角度による所が大きい。
通常のスピーカーのユニットは、聴き手の対面に設置されている。しかし俺スピーカーは聴き手から90°上向き、つまり天井に向かって設置されているのだ。
これにより部屋全体に音を響かせる事が出来、聴き手に音の発生源を感じさせない、つまり音に包まれるような印象を与えることに成功している。
これは勿論、定位感がぼやけているという事では無い。定位感はそのままに音場だけが広がるという理想的な鳴りだ。
何より特徴的なのが8inchユニット一発から生み出されるとは信じがたい程の豊かな低域のボリューム感。これこそが、このタイムドメインスピーカーの真骨頂ではなかろうか。
ユニットという物は、コーンの正面からだけ音が出る、そう思われがちだが、実は裏からも正面と同じだけ出ている。
しかしその二つの音は、それぞれ単体で聞けば全く同じ音だが、二つ同時に聴くと何とも気持ちの悪いスカスカな音になってしまう。これは位相の違いによって起こる現象で、簡単に説明すれば同じ形の波がずれることによって力を相殺してしまうという事。
エンクロージャーの大きな役割の一つとして、この二つの音を分離することがある。
因みにセンモニは、完全密閉型で裏から出る音は箱から出さずに正面の音のみを出力している。
これは一見理想的な方法にも思えるが、完全に密閉してしまったことによりユニットの運動を阻害してしまうという弊害も起こってしまう。
俺スピーカーはこれらの問題を特異なエンクロージャーの形状によって見事に解決してしまっている。
まず密閉型では無い為、小さなユニットでも十分な能率が得られる。
なおかつ、塩ビパイプを通過し、フェルトにより高音成分を失った低音成分が、スピーカー底部から出力され力強い低音を生み出す。
位相の問題は、音の到達する時間を塩ビパイプの長さによってずらす事により、位相のズレを解消している。
このスピーカーが如何に必然に満ちた形状かと言うのがお分かりいただけるだろうか。
エンクロージャーの内部にもタイムドメイン構造の設計思想が垣間見られる。
ユニットの中でも本来振動するのはコーン部でありそれを支える枠は振動しない事が望ましく、市販のそれを実現するために超重量のスピーカーが多い。
これが甘いとエンクロージャーが共振を起こしてしまい(通称箱鳴り)、本来の音が再生されない。
俺スピーカーは寸切りネジとダンベル(アンカー)をユニットに直接取り付ける事により、枠の振動を最低限に抑え、尚且つゲルによりエンクロージャーへの共振も抑える事に成功している。これを仮想グランドと言うらしい(グランドは地上、つまりアンカーが塩ビパイプ内に作られた地上だということ)
ユニットはヤバいんじゃないかと思うぐらい振動しているに時にも、エンクロージャーを触っても全く振動が感じられない事が、仮想グランドの有効性を示している。
・・・・・すまん。長くなりすぎたし、読み返したら何か宗教の勧誘みたいな怪しさ全開の文章になってしまった(汗)
そんな親バカ心炸裂な俺スピーカーレビューになってしまったけど、作った本人としては非常に満足。
ただそんな俺スピーカーにも致命的な弱点が1つ・・・・・制作から3週間が経過、その間のスピーカーの転倒回数実に5回(!)
洗濯物を取り込む際に引っかかる引っかかる(汗)
十円玉インシュレーター限界説・・・・このままではぶっ壊れるのは時間の問題なので早急に対処せねば。

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