某雑誌のインタビューで「200ユーロ以上するレコードは買わない事に決めてるんだ」という意味不明な決意を述べていたミカエル・オーカーフェルト率いる北欧プログレッシブデスメタルバンドの9th
前作「Ghost Reveries」が好評だった事も手伝ってか、前作の延長線上にある仕上がり。
Ghost Reveriesに伴うツアーの前後でドラマーとギターが脱退、後任にはGフレドリック・オーケンソン(元アーク・エネミー、タリスマン)、Drマーティン・アクセンロット(元ウィッチェリー)が加入。
新加入メンバーの実力はさておき、元メンバー二人の脱退は新作の内容にかなり影響は大きいと見ていた所、実際に大きかった。
特にDrのグルーヴがよりタイトになりで整合感のある、平たく言えばメタルっぽいドラミングに変化している。
しかしOPETHには欠かせないイージーでレイドバックしたような「メタルっぽくないドラミング」も十分表現可能なドラマーだという事が判明し一安心。
Blackwater Park以降の路線は俺は嫌いじゃないけど、初期からのファンで、あの幽玄で暗く重い浮世離れした隔離病棟的なサウンドが好きで好きで堪らない人達には、最近のかなーりファン寄りでちょっと媚び過ぎなんじゃないのと俺でも感じてしまう程の売れ筋路線は大層耳に付くことだろう。
Cの「メロトロンをバックに両ギターがこれでもかとばかりに泣きのソロを畳み掛け、ラストのツインギターのハモリで昇天」と言う余りにも分かりやす過ぎる展開なんて初期には絶対あり得なかったわけで。
孤高性という点では薄れてきた感はあるものの、普通のメタルファン層を拡大させつつ、プログレマニア層に向けて巧妙に配置させたトラップで壮年プログレッシャーを振り向かせることに成功しつつあるOPETHはもう立派な勝ち組だ。
@でのナタリー・ロックス(ゲストボーカル)の歌声が、アンダーグラウンドという沼に肩まで浸かった、哀れなメタラー達のすすり泣く声に聞こえてしまう今日この頃。
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