その日は嫌な予感がした。
視界の外側から感じるただならぬ気配。
忘れるはずもないこの感覚。
姿は見えぬが確かに感じる・・・奴の気配、鼓動、息遣い。
引っ越しして早2ヶ月、ここは否戦闘地帯なのか?と思いっていたが、それは気のせいだった。
奴らはどんな場所にでも潜入し、全てを無にしてしまう。恐るべき生命力と繁殖力を備えた数億年に渡りこの大地を支配し続ける超生物。
「G」襲来。
まさに晴天の霹靂。平和だった我が家はその日を境に戦場と化した。
Gの奇襲攻撃に対して真珠湾のアメリカ艦隊並みに成すすべが無い俺。
我が家には対G用兵器が全く配備されてなかったのだ。
慌てふためく俺に、第一発見者のゼツリンが呟く「武器だと?武器ならあるじゃねえか・・・信ずるのは己の右手のみ。シャャィニング、フィンガーーーー!!」
ばかな!G相手にシャィニングフィンガーだと!?さすが独り暮らしの大ベテラン。
しかしゼツリンがシャィニングフィンガーを放った時にはもう既にGの姿はそこにはなかった。
冷蔵庫の裏に隠れてしまったのだ。
揺らそうが壁を叩こうが一向に姿を表さない。
と思っていたら、こちらの虚を付き姿を表す。しかしゼツリンがシャイニングフィンガーを用意(ビニール袋を装着)してる間にまたすぐ隠れてしまう。
こんなやりとりが何度か続き、結局それ以降奴等は姿を表していない。
そして俺はふと気付いた。
これは警告なのだ。
「我々は常にお前を監視している。そしていつでも攻撃することが出来る。お前にはそれを防ぐことも止めることも出来ないのだ。」
何て恐ろしい!
ついに我が家もGの占領下に置かれてしまうのか?
我が家の運命は如何に?
次回へ続く。
追記、引っ越しする前の実家の俺の部屋でGを見た記憶が殆ど無い。他の部屋にはちょくちょく出てたみたいだが、何故か俺の部屋には出現しなかった。あの超空間でGですら生存出来なかったのか?謎である。

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