フィンランドの魔神カルツュ・ハタッカ≠ェ率いる、変態魔可不思議ミクスチャーバンドWALTARIの6th。
約10年も前にリリースされた本作だが、最近になってようやく入手することが出来た。
何故ならワルタリは国内では日本盤はおろか輸入盤ですら殆ど出回って無い。
今でこそHMVやアマゾンで新譜は買えるようになったが、つい最近までは個人輸入して手に入れるぐらいしか方法が無いのが現状だった。
そこまでして買う価値があるのか?
勿論大有りだ。
では、何故そんな凄いバンドのCDが日本に入ってこないのか?
何故なんだろう。間違いなく凄いことやってるバンドだし曲もキャッチーで、実際母国フィンランドは元より、ヨーロッパ諸国では既に相当な人気を博している。何げにキャリア16年のベテランだし。
では何故その人気が日本に波及しないのだろうか?
一つ、カテゴライズが難しい。
二つ、日本のレコード会社がバカ
三つ、ルックスが・・・
一つ目に上げた理由として「カテゴライズの難しさ」だが、これは確かに難しい。
ワルタリは「昨日はパンク、明日はテクノ、で今日はデスメタル。」というインディー精神に溢れまくりな事を、ワールドワイドな舞台で平然とやってのけてしまうのだ。しかもそれら全ての要素に抜かりなどはまるで無い。何をやっても最後には「やっぱワルタリはすげぇよな」という感想に至ってしまう。
でもそれは裏を返せば、余り聴いたことの無い人にとっては、何をやってるのかよく分からない難しいバンドという印象を与えてしまっているかもしれない。
メタル一筋な人や、ミクスチャーだけが好きな人には受け入れられない部分もあるだろう。
結果、レコード会社も売り方が分からず日本ではさっぱり人気が無いどころか一部の人間を除いては誰も知らないような状況を招いてしまっている。
ルックスは・・・俺は好きだぞ、こういうの。
で、本作だが今回はかなりテクノ路線が濃くなっている。
あえて言うならミクスチャーなんだろうけど、当時日本で認知されていたミクスチャーとは違う飽く迄ワルタリ流ミクスチャーだ。
有りとあらゆる仕掛けでこちらを楽しましてくれる。特にFのサビのメロは完全に「演歌」。なんで?かっこいいけど。
俺自身、テクノもミクスチャーもロクに聴いたことないが、どんな要素を持ち込んでも好きになれるのは単純にワルタリの曲が良いからだろう。
因みにこのアルバムでギターを弾いてるのは現ボドムのローペ・ラトバラだ。
最後に一言。かつてこの日本でワルタリに極めて近い路線の音楽で活躍していた日本人がいた。
下手したらワルタリに影響を与えてたのかもしれない。
彼が生きてたら今頃どんな音楽を作っていたのだろう。
まあ彼に関しても人気はあったけど、音楽そのものに対して正当な評価がされていたかと言われればどうなんだろうね。
誰かワルタリを日本に呼んでくれ。

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