とても意外と言われるのだけれど、例えば子犬が部屋にいて、同じ部屋にゴンがいても、目を離してトイレに行ったり、台所に立ったりすることができる。
一番凶暴そうで、子犬を襲いそうに見えるゴン。
決して子犬に優しくなくて、近寄る子犬に鼻にシワ寄せて唸っているゴンだけれど、それ以上のことをやらないことを知っているので、多少目を離すことも気にならない。
子犬から目を離すことが心配なだけで(笑)
ああ見えて、オレ様ゴン様、案外優しい・・・ちゅーか、中途半端。
子犬に威嚇しても、噛まないどころか、歯もあてない。よだれさえつかない。
寸止めの3歩ぐらい手前。
ボスなら、あともうちょっと踏み込んで、転がすぐらいやってもいいかなと思うときもあるほど。
ほら、ボスの威厳、みせちゃれ〜!と。
それでも眼力で、みんなゴンに一目置いているから、たいしたもんだ。
人も犬も目力がモノを言うらしい。
逆に意外なのが、・・・ええ、裏番ひな。
決して唸ったりせず、牙をむくこともなく、ぼんやり寝そべっているひなが。
実は一番子犬に厳しい。
近くでじゃれあって暴れていて、自分の体に触れようものなら、威嚇なしで、びしっと!
エバもコトコトも子犬時代に、痛い洗礼を受けている。
ええ、一撃でしっかりしとめますから、姫様(大汗)
大怪我はしないけれど、ちょっと血が出たわぐらいの傷を負わせるか、毛をむしるか・・・してしまう。
ところがそれを2度ほどやると、あとはとくに何もせず、子犬がオトナになると、仲良しになり、それ以後は、どんなに失礼な態度をとっても、ぼんやりのまま。逆にやれっぱなしになってしまう。
今はエバやコトコトにすら、押し倒されても、知らん顔。
彼女の摩訶不思議なところではある。
そんな彼女の洗礼を、ケンちゃんだって受けないわけないはいかないのだけれど、まぁ当面は受けないように、こちらも細心の注意を払う。
けれどもまぁ、先輩犬の「躾?」ということで、かる〜くぐらいは経験させておくと、「このひとは怖い」という認識を持つだろうし、自分の天下じゃないということが分かるから、まぁ勉強にもなるかな・・・と思うので、ころあいを見て、適度な程度に、子犬を放ってみたりする(拷問?(爆))
ケンちゃんも、案の定、コトコトと遊びまくり、プロレスをし、ひなの目前でどったんばったん。
しばらくは傍観していたひなも、少しずつプチっと来ている様子。
くるなぁ・・と思っていたら、やっぱりきた。
軽く毛がむしられた程度だけれど、ケンちゃんとしてはびっくり、どっきり。
これで分かったかと思いきや、あまり効果はなかったらしい。しばらくして、またひなにやられた。2度目。
今度は歯がどこかにあたったらしく、怪我はしていなかったけれど、1度目よりも怖かったよう。
きゃんきゃん言いながら、縮こまっていた。
それ以来、しっかり怖い女王様、姉御様というインプットがされたようで、ひなをしっかり迂回するようになったし、ひなが近くにいると、私に寄り添うようになった。

目線の先は・・・

微妙な空気、微妙な距離
それでも、ひなの横を通りたいときは、ダッシュですり抜けるように通る。
すり抜ける余裕とほんの少しの「余白」があるなら、通れなくて、怖くて逆戻り・・・ということはない。
去年のコトコトとケンちゃんは違うところがいっぱい。
コトコトは元来臆病でビビリちゃんだったので、ひなにやられたあとは、いつまでもいつまでもパニックで、狂ったように泣き叫んでいた。
当面ひなに近づくこともできなかったし、横を通るなんて、論外だった。
今ではひなに噛み付いているのが、信じられないのだけれど。
そんなひなは、ご存知のとおり、庭ではぼんやり。日向ぼっこ。
ご近所のかたには、元気ないの?と心配される始末。
家のなかで恐れられる裏番だなんて、誰も信じなく、みんなに圧倒され、しいたげられている、はかなげで、可憐なお姫様だと思われている。
恐るべし、そのうら、おもて。
私なんか・・・
「ごぉぉらぁぁぁ!!!」と怒鳴った声は響き渡り、「あ(にこり)、こんにちは♪」なんて言っても隠し切れないほどなのに。
見習うべきは、その・・・・
と、言っているそばから、3頭(エバ、コト、ケン)が走りまくり、
「こーーーーらーーー!!!」
あ、静かになった♪

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