2012/3/23

High Speed 1  Mainline (London)

こんにちは。本帰国までいよいよ2週間を切りましたが、正直実感がわかな過ぎてやばいです(笑)
今回書く撮影記は、8月3日に行ってきたイギリスの高速鉄道の分です。

驚くべきことに、鉄道発祥の地イギリスには、つい最近まで高速鉄道がありませんでした。
日本で新幹線が開業し、お隣フランスでもTGVの建設が着々と進んでいた1970年代、イギリスも自国の鉄道を高速化させようと考えました。しかし、当時は政府の財政が厳しく、既存の鉄道を電化することや、ましては高速新線を作ることなどは不可能でした。
そこで考案されたのが、イギリスの鉄道史最大の名車の一つ、Class 125(High Speed Train)です。この車両にはInterCity 125の名称がつけられ、その名の通り、最大速度125マイル(約200km/h)という驚異のスピードで、世界最速のディーゼル機関車として名を知らしめました。

そんなこんなで、線形が良いことも幸いして、イギリスは長い間、在来線で十分な速達運転を提供できていたのです。ですから、高速鉄道建設の需要はあまり高くありませんでした。

しかし、1994年にユーロスターが開通した際、その状況は一転しました。

ユーロスターの区間のうち、フランスはすでにTGV用の高速線を持っており、ユーロスター開業へはその一部を延伸するだけで対応できました。また、続いてベルギーも、1997年までに高速線を開業させ、これによって大陸側では300km/h対応が完全に整いました。その一方で、高速線を持たないイギリスは、既存の在来線上にユーロスターを走らせている状態で、またその路線が第三軌道方式であったこともあり、最高160km/hが限界でした。

そのため、イギリス側での遅れやタイムロスが大きい状況となり、犬猿の仲であるフランスからはそれについてイヤミを言われることが状態化という事態に。

いよいよ我慢の限界に達したプライド高きイギリス人たちは、ロンドンとドーバーを結ぶ、ユーロスター用の高速線の建設に乗り出したのです。

2006年の12月にその高速線はめでたく開業。ユーロスターのロンドン側のターミナル駅をこれまでのWaterlooからSt.Pancrasに移すとともに、いよいよイギリス側での300km/h運転が始まったのです。

ちょっと長くなりましたが、まぁざっとこれがHS1の歴史です。

そんなHS1を走る列車を撮影しに、今回はロンドンの東郊外にあるPurfleetというところまで行ってきました。


さて、旅の始まりは前々回と同じFenchurch Street駅。ここからc2cの近郊列車に乗り込むのですが、今回は本線をひた走る便ではなく、途中から支線に入りGreysという駅まで行く列車を利用します。詳しくは下のc2c路線図を参照。
http://www.c2c-online.co.uk/destinations/stations_and_route_map

列車はBarkingから支線に入り、Dagenhamの工場地帯を走り抜け、やがて住所はロンドンからエセックス州へ。そして、エセックス最初の停車駅がPurfleetです。

正直、ロンドン郊外だというのにかなりの田舎です(笑)
まぁ緑が多くていい街、という風に言っておきますかねぇ。

そんなこんなで駅から歩くこと20分ほど、撮影地に到着です。

Class 373 Eurostar near Purfleet
まずはユーロスター。パリへ向かう列車です。18両の長大編成ですが、先頭車両は機関車で乗客は乗降できないため、実質16両です。それにしてもさすが高速鉄道。速い速い。



Class 373 Eurostar near Purfleet
反対方向(ロンドン方面)のユーロスター。ちなみにユーロスターは最近ロゴを変更しまして、車両に貼ってあるロゴも張替が進んでいます(もう終わったのかな?)。上の写真の車両に貼ってあるのがが旧ロゴで、この写真の車両のが新ロゴです。

ユーロスターの車両は、日本に住んでいても見覚えのある方が多いのではないでしょうか。この車両は1994年の開業時から使用されているフランス・アルストム製のClass 373で、イギリス、フランス、そしてベルギーが分担して所有、管理を行っています。車両番号3000番台がイギリスの、3100番台がベルギーの、そして3200番台がフランスの編成です。しかしこの車両、近いうちにドイツのシーメンス製の新型に置き換えられることが発表されており、ユーロスターの顔である同車も、先はさほど長くないようです。

ちなみにこのユーロスター、一日の本数が片道30本程度と、あまり多くありません。というかヨーロッパの高速鉄道は基本的にそんな感じで、改めて新幹線の技術のすごさを感じます。
とはいえ、そんな列車のこない場所に、わざわざ家から2時間もかけて行くような私ではありません。実は、HS1を走る列車の中で、もっと本数が多く、そしてもっと撮りたかった車両があるのです。

それは・・・

Class 395 Javelin near Purfleet
こいつ。
この写真を見て「あ!この車両!!」と思った人も多いのでは?
ヨーロッパ初の日本製鉄道車両、Class 395です。
ロンドンとパリ/ブリュッセル間の国際輸送がメインなユーロスターに対し、この車両は、高速線High Speed Oneが通るイギリス国内の街、ロンドンとドーバー間の輸送に使われています。
製造は山口県にある日立の笠戸事業所で行われ、そしてイギリスのSouthamptonまで海運されました。
イギリスの車両は全部ヨーロッパ製(まぁBombardierの本居地はカナダですが)であるため、正直今回の日立の進出は日本人の一鉄道マニアとして相当な誇りです(笑)
いや、ていうか、世界的に有名なユーロスターと同じ線路上を、日立製の列車が走ってるって感動的じゃないですか??笑
2009年の12月から運転が開始され、従来から最大45分の所要時間短縮がなされました。ただ、これの運転開始によって、在来線の方のサービスが低下したりと、高速鉄道による問題点はどこでも同じようです…。

因みにこの車両、当然ながらイギリス国内でもっとも信頼性のある車両の一つとして認知されています。2010年の大寒波・大雪の際に、イギリス全土の鉄道ダイヤがめちゃくちゃになったのに対し、このClass 395による列車だけが唯一平常通り運転していました。またこの大寒波の中、ドーバートンネルの中でユーロスターが故障し立ち往生してしまったという事故があったのですが、その際にも、このclass 395が救助車両としてトンネルの外まで故障車を引っ張っていったそうです。ただ残念ながら、modern railwaysという鉄道雑誌が毎年選定する"Golden Spanner"(その年にイギリスで最も信頼性の高かった車両を決める賞)の受賞には惜しくもまだ至っていません。

Class 395 Javelin near Purfleet
ロンドンへ向かうClass 395。因みにHigh Speed Oneは、途中オリンピック会場のあるStratfordを通ることでも知られており、大会の開催中は、この車両がロンドン中心部とStratfordを結ぶシャトル列車として使用されます。


…そんなこんなで一時間半ほど撮影を楽しみました。

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帰りは支線を乗り継いで、地下鉄の東端Upminsterから西の郊外にある最寄駅まで、District lineで延々と帰ることに。ざっと1時30分ほどかかりました。この路線遅いからね(笑)



さてと、この記事はおそらく、私がロンドンから更新する最後の記事になるのではないかと思います。
ロンドン生活の開始と同時に始めたこのブログ、みなさんいかがでしたでしょうか。
当時は初めての海外生活で、不安と期待と様々なものが心に入り混じっていましたが、いよいよそんな海外生活も終わってしまうのかと思うと、何ともさみしく、感慨深いです。

最近たまに思うのが、こっちに来た当時の自分が今の自分を見たら、何を思うんだろうなー、ということです。英語がちょっとしゃべれるようになったとか、海外の鉄道に興味を持ったとか、そういう面では自分がいろいろな変わったのは確かですが、そういうのってなんか表面的なものじゃないですか。だけどもっとこう、この二年半で、なんか人間的に成長できた部分があれたらいいなー、なんて思います。

何はともあれ、この中学生高校生という多感な時期(少なくとも一般的にはそういわれている)を海外で過ごせたのは、非常に貴重な経験だったと思うし、僕自身とても楽しかったです。こんな機会をくれた両親には本当に感謝しています。


…さてさて、振り返るのもいいですが、僕はまた元の日本の生活に戻って行かなくてはなりません。僕は今、ロンドンに来た時と同じように、また新しい日本での生活に対して、大きな期待と、そして不安を抱えています。ですが、こっちでの生活で学んだんですが、なんだかんだで人間どんなとこでもやっていけるんですよ。ですから、日本での生活も、すごく楽しくまたやっていけるんじゃないか、なんて感じています。


さて、長いようで短かったこの2年半、本当にいろんなことがありました。この街と、ここで会ったすべての人々に心からありがとうと言いたいです。

そしてこのブログを読んで下さっている皆さん、本当にありがとうございます。日本でも残りの撮影記の更新はぼちぼち時間を見つけてやっていきますので、引き続き当ブログをよろしくお願いします。

それではみなさん、また日本でお会いしましょう!



ロンドン、さようなら!!
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