新宿歌舞伎町は日本最大の歓楽街であるが、街全体はキチッと警察によりパトロールされているため、治安は程よく保たれており、女性でも安心して歩ける街である。
しかし様々な人々が自分たちの利権を守るために、色々な場所に出没する街でもあるので、特に夜の一人歩きは男性でも注意すべきところである。
【静香】
和人さん、この間友達の美香と一緒に新宿に買い物に行ったときのことなんですけどね。
歌舞伎町を歩いていたら、前を歩いている人がサ〜ッとどくの。
そうしてら、な〜んか恐そうな顔をした男の人2人が前にいたんですよ。
美香とおしゃべりしていて前を見ていなかったもんだから、もう少しでぶつかりそうになっちゃって、ビックリしたわ。
本当、怖かったわ。
だ〜って、見るからにその人たちったら、怖い顔をしているんですもの。そして暴力団のような格好をしているの。
体は大きく、チョッと小太りで丸坊主。
2人とも黒ぽいスーツなんか着ているもんだから、誤解しちゃうわ。
「この辺はおれたちの縄張りだぞ!」と言うような威嚇した歩き方だったんですもの、本当に怖かったわ。
ぶつからないでよかったわ。ぶつかったら何言われるか分からないし、周りの人も怖がって助けてくれないかもしれないし、そんなときはどうしたらいいか分からないわ。
そんな時、和人さんだったら助けてくれる?
【和人】
「・・・・・・」
【静香】
何〜だッ。和人さんも怖いんだ。
【和人】
静香さん、怖がっているわけではありませんよ。
その状況をよく掴んでから話そうと思っていたんですよ。
まず助ける前にですけど、混雑している道ではおしゃべりしていないで、前をチャンと見て歩きましょうね。
よそ見をしている人がぶつかってきたら、誰でも怒りたくなっちゃいますからね。
その次ですが、ぶつかった時に何て言われるかですね。
「チャンと前向いて歩いてよ!」と注意される程度で済むのか、理不尽な言いがかりを付けてくるかですね。
「謝り方が悪いと。」か、「態度が悪い。」とか、ぶつかった以外のことに難癖を付けてくることがありますからね。
それは、
正論を言って相手に反論させない手口なんですね。
そんな方向に行きそうになったら、すぐ第三者を呼ぶことです。
そう、この場合だったら警察にすぐ連絡するんですね。
顔が怖い程度はどってことないですよ。
司馬 遼太郎は、
「鋭さを面にあらわして歩いているような男は才物であっても第二流だ。
第一流の人物というのは、少々、馬鹿にみえている。」と言っているんですね。
この場合の男達は、どう見ても二流と言わず、第三流以下でしょう。
三流以下だといって簡単にあしらえるわけではありませんから、いざこざに巻き込まれないように、普段から周囲に気を配り注意して歩いた方がいいですね。
【静香】
和人さん、ありがとう。これから気を付けるわ。
和人さんて、鋭い顔してないにもかかわらず、随分達人的なこと言うのね。
とぼけた顔をしているが、もしかして達人? そんなこと絶対ないわね。
【和人】
「・・・・・・」
甲野善紀の暮らしのなかの古武術活用法

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