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2018/6/16

訃報:Matt "Guitar" Murphy 1929-2018  ブルース

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Matt "Guitar" Murphy at Long Beach Blues Festival, 1998
(c)Photo by Masahiro Sumori.

ブルース・ギタリスト、マット“ギター”マーフィーが6月15日、亡くなったそうです。ドラマーで彼の甥のフロイド・マーフィーJr.がfacebook上で明らかにしています。88歳でした。フロイドは、マットのソロ作にも参加しており、彼の父親(マットの弟のフロイド・マーフィー、2014年死去)もかつてマットとしのぎを削るように活躍したギタリストでした。
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1960682273976706&id=100001048568688


マットと言えば、多くの人が映画「ブルース・ブラザーズ」でアレサ・フランクリンの尻に敷かれた亭主役として登場したのがまず思い浮かぶのでは、と思います。僕も初めて彼の存在を知ったのはそれでした。あれは名演技でしたね。彼は続編「ブルース・ブラザーズ2000」にも同じ役で登場し、笑わせてくれました。

個人的には彼の一番印象に残るプレイの数々は、50年代のメンフィス・スリムのレコーディングです。”Every Day I Have The Blues”の作者としても知られるスリムの全盛期ヴィージェイ時代のレコーディングには殆どの曲にマットが参加しているのではないかと思います。ブルースの基本を押さえた素晴らしいプレイの数々を残しています。
中でも好きなのはこれかなあ?



シンプルながらかっこいいですよね。いい音していますよね。

あとは、ジェイムズ・コットン・バンドの70年代の勢いはマットの存在なしには考えられませんね。彼が映っている当時の映像は見つかりませんでしたが、コットンの代表作「100% Cotton」や「Live & On The Move」など、マットがサウンドの要になっていると思います。



僕は彼を初めて見たのは1986年のロングビーチ・ブルース・フェスティヴァルでのギター・ジャムに彼が登場したときでした。彼とジョニー・コープランド、バディ・ガイの三人がジャムを繰り広げたのですが、最初に出てきたマットは、歌も歌って”Kansas City”をやったように記憶しています。歌は全然うまくなかったんですが、ギターを弾き出したら、あまりにも壮絶なプレイでびっくりした覚えがあります。ブルース・ブラザーズでは、ソウル系のナンバーが多く、ブルースっぽいギター・ソロを取る機会自体が少ないのですが、やはりこの人はブルースをやらせると凄い!と思いました。

1989年にはブルース・ブラザーズ・バンドのメンバーとして来日。これが初来日かどうかは知りませんが、僕は渋谷公会堂で見ました。彼の目立つところは少なかったですが、来てくれただけで嬉しかったです。歌は歌いませんでしたが”Thrill Is Gone”で見事なソロも披露しました。

その後ブルース・ブラザーズで何度か来日していますが、2002年に脳卒中で倒れ、活動停止を余儀なくされました。しかし2010年にシカゴ・ブルース・フェスティヴァルに出演し、久々にジェイムズ・コットンと共演しました。翌2011年はライヴ・アルバム「Last Call」をリリースし復活を印象付けましたが、実はこれは1986年録音の秘蔵音源。その後目立った活動はなく、これが最後の作品となってしまいました。


James Cotton Blues Band feat. Matt "Guitar" Murphy
June 11, 2010 Chicago Blues Fest





1960年代のヨーロッパで行われたAmerican Folk Blues Festivalのドキュメンタリー映像でも彼の勇姿を見ることができます。

Matt Murphy - Murphy's Boogie 1963 (live)


素晴らしい職人ギタリストでした。完全復活とはいかないまま他界したことは悔やまれますが、88歳という年齢も考えれば仕方ないのかもしれません。RIP。
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2018/6/8

エリック・クラプトンの映画公開決定  ロック

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ミュージシャンの伝記映画が流行りの昨今ですが、この秋、エリック・クラプトンを取り上げた映画が日本で公開されることが決定しました。

タイトルは「エリック・クラプトン〜12小節の人生〜」(原題:Eric Clapton: A Life In 12 Bars)。麻薬やアルコール中毒、息子の事故死など、波瀾万丈な彼の人生に焦点を当てた2時間以上に渡る生々しいドキュメンタリーです。

先日一足先に試写会で見る機会がありましたので、紹介したいと思います。

タイトルになっている「12小節」とは、言うまでもなくブルースの音楽フォーマットのことを意味します。なので、エリックがいかにブルースに取り憑かれていたかに焦点が当たる前半部分はある意味期待通りの内容です。映画は冒頭、エリック本人によるB.B.キングへの追悼メッセージから始まり、内向的にブルースにどんどんのめり込んでいった若き時代が描き出されます。

しかし、映画全体としては「ブルース」は音楽のジャンルというよりは、エリックの人生における苦悩という意味合いが強いです。幼少期に実の母から受けた拒絶に対するショックから始まり、クリームのメンバー同士の激しい対立、結局うまくいくことはなかったジョージ・ハリソンの妻パティとの関係と映画は進んでいきます。

そして、麻薬中毒に陥り表に出ることがなくなってしまった日々、死の淵まで彼を追いやったアルコール中毒と奇行の数々。この映画では、華々しいエリックのキャリアの表の部分ではなく、本人は思い出したくないであろう陰の部分にあえて切り込んでいます。彼と親交のあった人々はもちろん、本人も当時を振り返りながら語っているのがこの映画を価値のあるものにしている部分でしょう。全ては過去となった今だから、語ることができたということだろうと思います。

続いて、ストーリーは名曲”Tears In Heaven”を生むことにつながった最愛の息子コナー君の転落事故死へ。生前のコナー君の映像も流れる中で描き出されるこの悲劇には、思わずうるっと来てしまいます。

とても見応えのある映画で、クラプトン・ファンは必見だと思います。貴重な資料映像も見応えがあります。ヤードバーズのテレビ出演映像、ブラインドフェイスのライヴ映像、チャック・ベリーの映画「ヘイル!ヘイル!ロックンロール」のメイキング映像なども登場します。

ただ残念な部分があるとすれば、関係者の証言の殆どが音声のみなことで、次々出てくるため誰の発言なのかややわかりにくい点です。

またそれぞれ、いつの発言なのかわからないのも残念です。同じ人に語らせても今聞くのと30年前に同じ質問をしたのでは当然答えは変わってくるはずですが、音声のみだといつ頃のインタビューなのか想像がつかないし、字幕では人の名前はもちろん記載されていますが、発言の時期までは触れていないのです。

個人的には、パティがクラプトンと過ごした日々を語っている部分は非常に興味深いと感じました。彼らは出会っていたシチュエーションやタイミングがよければ、もしかしてうまく行ったのかも知れない、そんな印象を持ちました。

尚、配給会社のポイントセット側の資料では「関係者のインタビューを極力排除している」とあり、この資料に沿ったニュース記事が出回っています。しかし、実際には上記の通りインタビューがこの映画の肝となっています。インタビュー映像が少ないという意味なのかも知れませんが、誤解ないように強調しておきたいと思います。

映画の公開日はまだ決まっていないそうですが、秋よりTOHO シネマズ シャンテほか全国公開となることが決定しています。

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STAR CHANNEL MOVIES作品
『エリック・クラプトン〜12小節の人生〜』
今秋、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

監督:リリ・フィニー・ザナック(『ドライビングMissデイジー』製作)
製作:ジョン・バトセック(『シュガーマン 奇跡に愛された男』、『We Are X』)
編集:クリス・キング(『AMY エイミー』)
音楽:グスターボ・サンタオラヤ(『ブロークバック・マウンテン」)
出演ミュージシャン:エリック・クラプトン、B.B.キング、ジョージ・ハリスン、パティ・ボイド、ジミ・ヘンドリックス、ロジャー・ウォーターズ、ボブ・ディラン、ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・ビートルズ etc.
配給:(株)ポイント・セット

2017年 イギリス
英語/ビスタ/135分
原題:ERIC CLAPTON : LIFE IN 12 BARS
日本語字幕:佐藤恵子
公式サイト
http://ericclaptonmovie.jp/


——

オリジナル・サウンドトラック
エリック・クラプトン − ライフ・イン・12・バーズ(仮)
2018年6月8日発売 
2枚組2,980円+税 UICY-15738/9
日本盤特典
解説・歌詞対訳付

<収録曲>


DISC ONE

ビッグ・ビル・ブルーンジー / バックウォーター・ブルース
マディ・ウォーターズ / マイ・ライフ・イズ・ルーインド
マディ・ウォーターズ / アイ・ガット・モジョ・ワーキング(ライヴ・アット・ニューポート・ジャズ・フェスティヴァル 1960)
ヤードバーズ / アイ・ウィッシュ・ユー・ウッド
ヤードバーズ / フォー・ユア・ラヴ
ジョン・メイオール&ブルースブレイカーズ / ステッピン・アウト
ジョン・メイオール&ブルースブレイカーズ / オール・ユア・ラヴ
クリーム / アイ・フィール・フリー
クリーム / ストレンジ・ブルー
クリーム / サンシャイン・ラヴ
アレサ・フランクイン / グッド・トゥ・ミー
クリーム / クロスロード(ライヴ)
ザ・ビートルズ / ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス
クリーム / バッジ
クリーム / ホワイト・ルーム(ライヴ)
クリーム / スプーンフル(ライヴ・アット・LAフォーラム 1968) *未発表
ブラインド・フェイス / プレゼンス・オブ・ザ・ロード

DISC TWO

デラニー&ボニー&フレンズ・フィーチャリング・エリック・クラプトン
/ カミン・ホーム(ライヴ・アット・フェアフィールド・ホールズ)
エリック・クラプトン / アフター・ミッドナイト(オルタネイト・ミックス)
エリック・クラプトン / レット・イット・レイン(オルタネイト・ミックス)
デレク・アンド・ドミノス / 心の平静  *未発表
ジョージ・ハリスン / マイ・スウィート・ロード
デレク・アンド・ドミノス / 庭の木
デレク・アンド・ドミノス / だれも知らない
デレク・アンド・ドミノス / ベル・ボトム・ブルース
デレク・アンド・ドミノス / いとしのレイラ
デレク・アンド・ドミノス / リトル・ウィング(ライヴ・アット・フィルモア・イースト)*未発表
デレク・アンド・ドミノス / ゴット・トゥ・ゲット・ベター・イン・ア・リトル・ホワイル
エリック・クラプトン / アイ・ショット・ザ・シェリフ(フル・レングス・ヴァージョン)*未発表
エリック・クラプトン / リトル・クイーニー(ライヴ) *未発表
エリック・クラプトン / メインライン・フロリダ
エリック・クラプトン / ティアーズ・イン・ヘヴン

https://www.universal-music.co.jp/eric-clapton/news/2018-04-13-news/
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2018/6/7

見逃せないソウル系ライヴ!  R&B/ソウル

この夏から秋にかけて、ソウル系の要注目のライヴが続きます。
まずはカーラ・トーマス。かつてオーティス・レディングと共作アルバムを作ったこともある50年以上のキャリアを持つヴェテランですが、御年75歳にしてソロ名義では初来日となります。1988年に父親ルーファス・トーマスと来日、60年代には在日米軍基地での公演ならばやったことがあるとか。今回はフジロックへの出演のための来日で、その後東京と大阪で公演を行います。更に!今回の来日メンバーには妹のヴァニースに加え、ハイ・レーベルを支えたリズム・セクション、ホッジズ兄弟も同行します。これはすごいことだと思います。ホッジズ兄弟は昨年4月にスペンサー・ウィギンズの初来日公演に同行して以来の来日となります。

しかもそのホッジズ兄弟、そのわずか3ヶ月後、今度はウィリー・ハイタワーのバックバンドという形で再度来日します。ハイタワーは、遂に!遂にやってくる!と大声で叫びたくなる快挙です。かつてフェイム、ファイヤーなどのレーベルから作品をリリースした彼は1940年、アラバマ州生まれのサザンソウルシンガー。フェイム時代の"Walk A Mile In My Shoes”など、素晴らしい歌声を聴かせます。

フル・メンバーは6/7時点ではまだ発表されていませんが、スティーヴ・クロッパー(gt.)が同行することが決定しています。これもまた豪華ですね。

そして、9月にはカーティス・メイフィールドがかつて在籍したことで知られるシカゴのヴォーカル・グループ、インプレッションズの初来日が決まりました。正直僕などは「まだやっていたのか?」と思ってしまいましたが、メンバーを見るとフレッド・キャッシュ、サム・グッデンというオリジナルメンバー2人が今回の来日のラインアップには含まれています。彼らももうお年なので、恐らく今回の来日は最初で最後になるものと思われます。

先月のリロイ・ハトソンの初来日公演も、もしかしてインプレッションズ来日の布線だったのか?ハトソンもかつてこのグループでリードを取った経歴を持っています。

他にも気になるライヴはいろいろありますが、とりあえずこの3本は必見かと思います。


◾︎カーラ・トーマス
Carla Thomas & "The Memphis All Star Review" Featuring The Hodges Brothers (Hi Rhythm Section) and Vaneese Thomas
2018/7/28(土)苗場・フジロックフェスティバル(Field of Heavenステージ)

2018/7/30(月) - 7/31(火)ビルボードライブ東京
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=10898&shop=1
7/30(Mon)1st Stage Open 17:30 Start 19:00 / 2nd Stage Open 20:45 Start 21:30
7/31(Tue)1st Stage Open 17:30 Start 19:00 / 2nd Stage Open 20:45 Start 21:30
Service Area : \10,800 / Casual Area : \9,800

2018/8/2(木)ビルボードライブ大阪
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=10899&shop=2
8/2(Thu)1st Stage Open 17:30 Start 18:30 / 2nd Stage Open 20:30 Start 21:30
Service Area : \12,000 / Casual Area : \11,000

[Personnel]
Carla Thomas - vocals
Vaneese Thomas - vocals
Charles Hodges - Hammond B-3 organ, keyboards)
Leroy Hodges - bass
Berneta Miles - background vocals
Argie Phine Martin - background vocals
Luis Valle - trumpet
Andy Wulf -saxophone
Scott Sharrard - guitars
Steve Potts - drums


◾︎ウィリー・ハイタワー
Memphis Meets Muscle Shoals featuring Willie Hightower, Steve Cropper&Hi Rhythm
2018/10/22(月) - 10/24(水)ビルボードライブ東京
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=11024&shop=1
10/22(Mon)1st Stage Open 17:30 Start 19:00 / 2nd Stage Open 20:45 Start 21:30
10/23(Tue)1st Stage Open 17:30 Start 19:00 / 2nd Stage Open 20:45 Start 21:30
10/24(Wed)1st Stage Open 17:30 Start 19:00 / 2nd Stage Open 20:45 Start 21:30
Service Area : \12,000 / Casual Area : \11,000

2018/10/20(土)ビルボードライブ大阪
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=11025&shop=2
10/20(Sat)1st Stage Open 15:30 Start 16:30 / 2nd Stage Open 18:30 Start 19:30
Service Area : \12,000 / Casual Area : \11,000


◾︎ジ・インプレッションズ
The Impressions
2018/9/11(火)、9/13(木)ビルボードライブ東京
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=11068&shop=1
Service Area : \10,000 / Casual Area : \9,000
9/11(Tue)1st Stage Open 17:30 Start 19:00 / 2nd Stage Open 20:45 Start 21:30

2018/9/15(土)ビルボードライブ大阪
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=11070&shop=2
Service Area : \10,800 / Casual Area : \9,800
9/15(Sat)1st Stage Open 15:30 Start 16:30 / 2nd Stage Open 18:30 Start 19:30

[Personnel]
Fred Cash - vocals
Jermaine Purifory - vocals
Joe Herrera -trumpet
Reggie Pace - trombone
Matt Rippetoe - saxophone
Bill Dempsey - keyboards
Zach Cutler - guitar
Eliot Seppa - bass
Marty Bouchard - drums
1

2018/5/15

Neil Billingtonが5度目の来日を果たします  ブルース

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Neil Billington

ニュージーランドのハーピスト、ニール・ビリントンが昨年に続いて来日します。
今回はハーモニカ・コンテストへのゲスト出演のための来日ですが、東京周辺で3本の単独ライブも組まれました。それぞれ異なる個性を持ったミュージシャンたちとのギグです。

どんな演奏が飛び出すのでしょうか。非常に楽しみです。
彼については、昨年の来日時に僕が行ったインタヴューの記事がブルース&ソウル・レコーズ No. 139に掲載されていますので、そちらもよろしくです。

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Neil Billington Japan Tour 2018
6月2日(土)17:00 吉祥寺・Star Pines Cafe
 第38回F.I.H. ハーモニカ・コンテスト
 Blues Harp Contestゲスト・ハーピストとして出演
 http://moridaira.jp/fih/contest-fih

6月3日(日)19:30 中野・Bright Brown
 with 菊田俊介(guitar, vocals)、小野アイカ(guitar, vocals)
 http://brightbrownnakano.wixsite.com/brightbrown

6月5日(火)高円寺・AG22
 with 小泉清人(guitar)、ゲスト: 続木力(harp)
 http://ag22live.web.fc2.com/

6月7日(木)茂原・Studio Clove
 with モリシンジロウ・ブルース・バンド
 http://www.studioclove.jp/

6月9日(土)13:00 神田・全電通ホール
 第38回F.I.H. ハーモニカ・コンテスト
 決勝ライブゲスト・ハーピストとして出演
 http://moridaira.jp/fih/contest-fih

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ニール・ビリントン (Neil Billington)
ニュージーランド第二の都市、ウェリントン出身のブルース・ハーモニカ・プレイヤー、ニール・ビリントン。彼はサニー・ボーイ・ウィリアムソンやリトル・ウォルターなど、シカゴ・スタイルのブルース・ハープを得意とするが、魅力はそれだけではない。クロマチック・ハーモニカをも自在に操り、ときにトゥーツ・シールマンス、はたまたスティーヴィー・ワンダーを彷彿させるプレイを聴かせるなど、守備範囲の広さもまた彼の強みなのだ。

1970年代の学生の頃、ニュージーランドのシーンで活動を開始。1976年には1860バンドとの共演でニュージーランドのテレビ番組へ出演するなど順風満帆な滑り出しを見せたが、大学卒業とともに音楽活動からは身を引き、放送業界へ進んだという異色の経歴の持ち主だ。80年代にはイギリスに拠点を移し、BBCのレポーターとして活躍している。しかし、90年代に入ると音楽の世界に戻り、ウェリントンで活動を再開。スウィング・ジャズのロジャー・フォックス・ビッグ・バンドを始め、様々なミュージシャンと共演を重ねる中で英国出身で首都オークランドを拠点とするブルース・ギタリスト、マイク・ガーナーと出会った。

2014年にガーナーとのデュオで初来日。以後、年に一度の来日を重ね、2016年にはピーター・バラカンのフェスティバル、LIVE MAGIC!の大舞台で、サニー・ランドレスらフェス出演者たちとの共演も果たした。2017年には初めて単独での来日ツアーを敢行した。

過去4回の来日で日本のミュージシャンたちとの交流を深め、日本のシーンで支持を広げていったニールは、ハーモニカ・コンテストを主催するF.I.H.Japanの目に止まり、今回のコンテストへのゲスト出演が実現した。

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過去の来日公演レポート
2017年
http://black.ap.teacup.com/sumori/1762.html

2016年(Live Magic!)
http://black.ap.teacup.com/sumori/1713.html

2015年
http://black.ap.teacup.com/sumori/1627.html

2014年(初来日)
http://black.ap.teacup.com/sumori/1532.html
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2018/5/14

Carlos Johnson来日公演レポート  ブルース

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シカゴのブルース・ギタリスト、カルロス・ジョンソンが来日公演を行いました。彼の来日は4年ぶり。前回の来日は青森のブルースフェスのためのもので、それ以外の公演は設定されていなかったので(デミトリア・テイラーの東京公演への飛び入り参加はありましたが)、首都圏での公演は2010年以来8年ぶりです(とは言っても横浜ですが)。4月の末、大型連休前に横浜、大阪、名古屋をまわりました。

ツアー初日、4月24日(火)のモーションブルーヨコハマ公演を見ました。都内に住む者には平日に横浜まで出かけるのはキツかったですが、他にないのでガッツで向かいましたw。

今回の来日は、大阪のブルース&ソウル・バンド、OSAKA ROOTSのゲストという形。このバンドは初めて聞く名前でしたが、アルバムも2枚出していて、大阪では結構活動しているようです。中心メンバー3人がシカゴで活動した経歴があり、カルロスをアイドルとしていたそうです。彼らにとっては夢を叶えるライヴだったのでしょう。

ゲストでの登場ということは、カルロスの立場は微妙にも思えますが、実質的には彼のライヴにOSAKA ROOTSがバックをつける内容でした。

ライヴはOSAKA ROOTSの演奏するスティーヴィー・ワンダーの”Signed, Sealed, Delivered I'm Yours”でスタート。インストながら、ベースを中心に生み出されるグルーヴはすごくファンキーでいい感じ。リード・ギターの久米治樹のプレイも乗っています。これは期待できそう。

続いて、シャッフルのリズムに合わせてカルロス登場。ハウリング気味ながら、そのプレイは軽快な中にも鋭さを感じさせます。カルロス健在です。しかし、まあ冒頭から勝手気ままな彼らしさが全開。彼自身のソロも長いのに、いきなりドラマーも含め全員にソロを回し、1曲10分をゆうに超える展開。モーションブルーのウェブサイトには「ステージの長さは約100分を予定」なんて書いてあったけど、こんな調子じゃ10曲もできないよ(笑)。

その後も、その場で思いついた曲の展開をバンドメンバーに耳打ちして伝えたり、次は"Hello There"をやると言っておいて「やっぱりそれはあとにする」と言ってみたり、気まぐれぶりは続きましたが、これにちゃんと付いて行っているOSAKA ROOTSの面々は偉いなぁ。過去の来日では、思い通りにバンドがついてこないのでカルロスが露骨にイラつく場面もしばしばあったもんね。彼の振る舞いになれていないとヴェテランでもかなり辛そうです。

バンドを気に入っているからでしょうが、この日のカルロスはやたらと上機嫌。メンバーにソロを回して、それをニコニコしながら見つめている。特にサックスの南あやこにはやたらと絡んでいる感じ。やはり、女性だと違うのね。

しかし、彼は自分のギターの音量を上げたくてしょうがないらしく、しきりにアンプのつまみを捻るんですが、その度にひどいハウリングが起きていました。アンプが原因とみたのか、2部では久米の使っていたアンプと入れ替えさせていました。でも、改善したようには思えませんでしたが。

1曲が長いのは最後まで続きましたね。2部なんてアンコールも含め約1時間の演奏時間でやった曲は僅か4曲。プログレじゃないんだから(笑)。おしゃべりも多かったけどね。

客席からやってほしい曲をわざわざ聞いて「わかった」といいつつ、実際には違う曲をやったり、最後まで勝手気ままなカルロスでした。でも、プレイは終始冴えまくっていましたね。B.B.キングのような甘くまろやかなトーンで弾いたかと思いきや、アルバート・コリンズ顔負けの鋭い切れ味にがらっと変身するあたり、表現力の幅は半端ない。感じるそのままが音に出ているんでしょうね。とにかく激しすぎるぐらいに激しいダイナミクスは彼らしいところです。1曲の中で聞こえるか聞こえないかギリギリのところまで音量を落としたあとに、いっきに音量を上げて激しく切り込む。そんな展開もしばしば。そんな感じでメリハリをきかせた展開なので、1曲が長くても、飽きはこないんです。でも、もう少しコンパクトにやったほうがいいとは思うけど。でもそれを無理やりやると彼のサウンドではなくなってしまうんでしょうね。

このライヴは告知が開催1ヶ月ほど前と結構寸前だったにもかかわらず、結構いい感じでお客さんは入っていました。僕の知っている範囲でも、ブルース好きの人たちが遠くから駆けつけていました。過去の来日よりも内容はよかったように思います。気まぐれなカルロスですが、新譜も2009年のPヴァインのライヴ盤以降10年近くご無沙汰しています。この勢いでそろそろ新しい作品も作ってほしいものです。

OSAKA ROOTS featuring CARLOS JOHNSON 2018
[ツアー日程]

4月24日(火)横浜  MOTION BLUE YOKOHAMA
4月26日(木)名古屋 TOKUZO
4月27日(金)大阪  Brooklyn Parlor OSAKA

[Setlist]
*1st set 19:30-20:25
Signed, Sealed, Delivered I'm Yours
C.J.'s Swing
?
Hello There
Jimmy Reed Medley (You Don't Have to Go - Bright Lights, Big City)

*2nd set 20:55-21:55
Mercy, Mercy, Mercy
Georgia on My Mind
Sweet Home Chicago
-encore-
Bluesman

[Personnel]
久米治樹 - guitar
南あやこ - saxophone
三木電 - bass
前田和彦 - keyboards
Rory Adam Johnson - drums
Carlos Johnson - guitar, vocals

[ライヴの写真]
-Motion Blue Yokohamaウェブサイトより-
http://www.motionblue.co.jp/photo/live/2018/04/26/osaka-roots-feat-carlos-johnson.html
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