しょーもない番組に対応していてすっかり後回しになっちゃったけど、死に対する一般のイメージについて考えるために、重要なニュースがいくつかあったのを思い出したよ。医療メディアウオッチャーとしては、ホントはこーゆー現実がどー報道されてるかってことこそ、よーく見なくちゃねーと反省しとります。
ひとつは、綿アメの割バシが脳に刺さっていたのを見落としたとして医師が訴えられていた裁判。結局医師は無罪になったものの、裁判官は判決に異例のコメントをつけて医師の過失を世間にアピールし、メディアはこぞって親に同情的な扱いをしてましたねー。
最凶的にも、自分の子供があんな小さいときにあんな死にかたしたら耐えられんだろーなと思ったんだけど、ふと冷静にかえって知り合いの幼稚園の先生に聞いてみた。
最凶「あれってさ、割バシくわえてウロウロしてなきゃ起きない事故だと思うんだけど、現場じゃよくあることなのかな」
先生「じょーだんじゃないよ。長いもの持たせている時は、たとえ歯ブラシだってすごく気を使うし、綿アメのときはゼッタイすわって食べさせる」
なーるほど。つーことは、今回の事故で責められるべきは、綿アメを企画しておきながら、ハシをくわえてウロウロしている子供の危険性に気づかなかった現場の大人じゃん。 そーいや、子供のころの最凶だって、おハシをくわえて歩きまわるなんてもってのほか、くわえてるだけでも親にどやされたし、自分の子供だって同じように育てたよなー。
なんかこの事件て、例えて言うと「家に放火されて消防車をよんだけど、来るのが遅くて全焼してしまったので消防署を訴えた」って感じがするんですけどー。訴えられるべきは、別にいるでしょーが。あちこちのブログなんかを読むと「無罪はトーゼン」という声が多いのもうなずけちゃう。
もうひとつは、福島県の医師が、
癒着胎盤だった産婦を帝王切開手術中に出血多量で死なせたことが「医療ミス」とされて、事件後一年もたってから逮捕された事件。
この癒着胎盤てーのは、事前の診断ができないらしくて、もしおこったら子宮摘出くらいしか対処のしよーがないみたいなんだけど(書いてるだけで血の気が引くよ)、こんなことってよくあるのか調べてみたら、なんと発生率は0.01%。日本の一年間の出産数が100万件くらいらしいから、一年に100件くらいしかおきていないワケだ。てーことは、現在1,1300人ほどいる日本の産科医の一人が、週休一日で毎日必ず一人とりあげるのを30年間続けて(ありえねー)、やっと一度出会うくらいめずらしいケースになるじゃん。
そんなめったにない症例を、べつにほっておいた訳でもなく、対処はしたのに死んでしまったからってことで、逮捕されちゃうってのも腑に落ちない。最近は、激務なうえに出産をめぐる医療訴訟がすごく多いのを嫌って、産科医になろうという医学生が激減してるそーだし、あちこちの病院でも産科がなくなって、お産ができなくなっているらしいけど、これじゃーますます減少に拍車をかけるだろうね。
事実、
この事件の社会的影響を見逃せないと感じる人たちが、
逮捕された医師の支援組織を作っているみたい。(
こんなのもあって笑ったけど)
で、この二つの事件から感じちゃうのは、「お産は病気じゃないし、子供は健康に育つのが当たり前で、死んだりするのは異常事態」という考え方が、いかに当たり前になっているかってこと。だからこそ親の悲しみも大きくて、そのぶつけどころが医師に向いちゃったんじゃないだろーか。
でも実際には、0〜19歳の死亡率は事故がダントツのナンバーワン(死亡原因のトップはもちろん交通事故)で、
子供の安全についてのサイトを見ると、
ハシをくわえて転倒の危険性についても、ちゃんと注意を呼びかけてる。お産についてだって、
世界的に見てみれば、日本は産婦の死亡率がすごく少ない国であるものの、年間120人は死んでいるんだから、まったく安全なものとは言い切れないじゃん。さっきの考え方は「そーあってほしい」という希望ではあるけど、現実ではないよな。
ま、最凶も子どもはかわいいと思うし、若くしてパートナーを失った友達の悲しみも見ているから、気持ちは分からないでもないけど、メデイアがこぞって医師を責めるという姿勢はどーよ。
実はこーゆー扱いが結果として、子どもだけでなく大人の病気観についても現実を見ないように世論操作し、医師と患者の関係もよくない方向に導いていると思うんだけど、それについては、また次回のココロだー(←オヤジくさいと不評です)。
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