旧パラを検証する35
第四号5
東都棋界たより 第二回 宮本弓彦・・・当時の棋界の噂話が載っているのであるが、その中の第十一話が面白いので抜粋してみる。
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第十一話 後援者とは?
棋士には大小さまざまの後援者と云うものがあつて、棋士は初段から八段まで、それによつて生活が立ってゆくのであり、大は新聞社から小は一個人まで、棋士のパトロンは、それならどんな後援を仕て呉れるのかと云えば、その一つとして、棋士同士の対局(しんけん)にきもいりをして呉れることがある。
A新聞社は升田八段M新聞社は大山八段Y新聞社は塚田前名人などといつた、金に糸目をつけない大きなパトロンは別格として、ここで私が書くのは個人としてのパトロンの場合。その話をするんですがネ。
最近では「花村・丸田」「梶・清野」「橋爪・清野」さては「松丸四段対染谷四段」又「清野対内山龍馬四段」等があつた。上段が勝者で、一応評判になつたしんけんな手合わせだ。
こういうひいきから発するきもいりは、その十分の一というもつと小さなきもいりに至るまで、つねに処々方々で愛棋家たちの観戦下に熱戦をば展開している。「松丸染谷」の場合はアマチュア同志であるが、玄人同然の棋力を持っているから、後援者のきもいりする訳。
新聞将棋とはちがった強引と早見えと勝負度胸にものをいわせての鉄火勝負である。時にとつての座興として手軽く観戦出来るし相当力こぶを入れてみもする。
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当時の棋界のことが解らないと、解りにくい文章なのですが、ようするに今と違って、新聞社が推す棋士が明確に存在していたのが一点。
次に、ここにあるしんけんは、懸賞金の他に当然、どっちが勝つかの博打が介在しているのです。昔は結構金額が大きかったみたいで、棋士は博打打と変わらない面も、戦後のこの時期でも普通に残していたことが解って興味深い文章です。
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