2009年4月8日(水)
大阪→フランクフルト→ジュネーヴ
前編
Mercredi 8 avril 2009
Osaka→Francfort→Genève
始まりは2006年4月2日でした。
日本アマチュア演奏家協会(略称APA)関西支部の方々が中心となって毎夏行っている、大阪大学におけるオペラ(この夏はW.A.モーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』だった)のための初回オーケストラ練習。稽古をつける指揮者がいないということで、たまたま僕が伺いました。本当にたまたま。2006年、僕はとても忙しかった。4月だけでも、15日にJ.ハイドン『四季』の合唱指揮、16日にG.F.ヘンデル『メサイア』の合唱指揮、25日に大阪国際フェスティバルにおける公演の合唱指揮、30日にE.フンパーディンクのオペラ『ヘンゼルとグレーテル』を指揮と本番がたてこんでいました。4月に空いていたのは2日と17日だけ。APAのオーケストラ練習が2日になければ、あるいはこの日僕に予定が入っていれば、両者は出会うことはなかったのです。この偶然とも言える出会いが、
2008年3月22日の感動的な「イースターコンサート」と
同年8月31日の大阪大学におけるオペレッタ『メリー ウィドウ』の公演に実を結び、今回のスイス演奏旅行と
18日の2回目となる「イースターコンサート」へと至りました。
偶然がもたらした大きな幸せ。いや、これは偶然を装った必然だったのかもしれません。運命が両者を引き寄せ、出会うべくして出会ったのかもしれない。
そんな感慨を抱きながら、出発前の数日を過ごしました。
急いで渡航の準備を整えるも、
スーツケースが破損に見舞われ、
出発の前日に新しいスーツケースを買い、荷造りをし直し、スイスフランに両替をして、出発当日を迎えました。
午前4時過ぎに起床。5時45分に大阪の住処を出る。快晴。最寄駅のJR京橋駅から関西国際空港へと向かいました。JR一本で行けるから便利。
7時40分、
関西国際空港(KANSAI INTERNATINAL AIRPORT、略称関空)に到着。
実は僕、関空から飛び立つのも初めてなら、関空に訪れるのも初めて。ということで、集合時刻までおのぼりさん探索決行(笑)。
意外と小さいなぁ。時間があまりなくて、隈なく見て回ったわけじゃないけど、大手百均店があったり、大手安売り衣料店があったりと、なかなか庶民的。しかし、忘れ物をしてしまっても、こういう日用雑貨を買うことができる店があれば、簡単に手に入れられるので、便利。
8時15分、皆、無事集合。今回はAPAのオーケストラ12名、合唱6名、そして僕の総勢19名のツアー。人数が少ないように思われますが、濃い人々が集まっていますので(笑)、楽しい旅行になりそう。
チェックイン。この演奏旅行も、
昨年5月のSCNドイツ演奏旅行と同じく、
ルフトハンザ・ドイツ航空(Lufthansa)の飛行機で行き来します(そういえば、僕は2004年以来ルフトハンザの飛行機しか乗っていない)。関空からドイツのフランクフルト国際空港を経由してジュネーヴ国際空港へと向かう経路。
さて、今回、僕の座席はなんと!なんと!!ビジネス・クラスです!!! ジュネーヴに到着した翌日、9日(木)にコンサートを指揮し、目いっぱい観光した後、12日(日)にイースター・ミサでソロを歌い、帰国後は練習し、18日(土)のコンサートを指揮するという強行軍。少しでも疲労を軽減させるためにということで、お仕事柄世界中を飛び回っておられるお方が気遣って下さって、その貯まったマイレージで僕の座席をグレード・アップして下さったのです。人生初のビジネスクラス
(あっ、一度だけビジネスクラスに座ったことがあります。でも、ルフトハンザのドイツ国内線で、座席自体はエコノミークラスと同じ、隣りの席が空いているだけでした)。感謝!感謝!感謝!感謝あるのみ!ありがとうございました!!!
チェック・インを済ませた後、今回の演奏旅行の準備をして下さった方々とお茶しながら、打ち合わせ。その後、セキュリティ・チェックと出国手続きを済ませ、赤色が印象的なウィングシャトルに乗って、われわれが乗るルフトハンザLH741便の搭乗ゲートへ。
ファーストクラスとビジネスクラスの乗客のための専用ラウンジが各航空会社毎にあります。ルフトハンザのラウンジは、同じく
スターアライアンス(STAR ALLIANCE、1997年に設立された世界最初の航空連合体)に加盟している
全日空(ANA)のラウンジ錦(LOUNGE NISHIKI)です。
アルコールも含めて飲み物飲み放題、軽食食べ放題。アルコール類はワイン、シャンパン、ビール、ウィスキー、日本酒までありました。どれもかなり良い物。まだ9時過ぎということもあって、僕は野菜ジュースに生ビール(笑)。健康に気を遣いつつ、それを相殺(笑)。
ラウンジ錦でくつろいだ後、搭乗ゲートへ。出発前に記念撮影大会。
僕の座席をグレードアップして下さった方と。パートはセカンド・ヴァイオリン。国連にお勤めで、世界中を飛び回っておられます。英語のみならず、フランス語、ロシア語が堪能。この演奏旅行の中心人物であり、ジュネーヴとのやり取りを一手に引き受け、昼夜問わずメールや電話で交渉されていました。それでいて、ご自身の仕事もきっちりこなされていました。まさにスーパー・ウーマン。この方がいらっしゃらなければ、この演奏旅行はありえませんでした。どれだけ感謝してもし切れません。ちなみに、夫君は某国駐在の大使。弟君は有名政治家。すごい一族!
弦楽器奏者の女性方と。僕の左隣りのお二方はこの演奏旅行を実現させるために事務的なことをお引き受け下さり、ご尽力下さいました。心から感謝申し上げます。
合唱の女性方と。合唱の参加人数は少なかったですが、果敢に(?)参加して下さいました。ありがとうございました!
アレ?女性としか記念撮影していないなぁ。決して何の作為もありません(笑)。
9時50分、搭乗開始。ファーストクラスとビジネスクラスの乗客はいち早く搭乗できます。皆さんには有り難いやら、申し訳ないやら…。
ビジネスクラスでは(おそらくファーストクラスでも)乗客が搭乗し、着席すると、驚いたことに、早速飲み物のサービスが始まったではないか! 知らなかった、ビジネスクラスではこんなことが行われているなんて。しかも、ファーストクラスおよびビジネスクラスの乗客をアテンダントする乗務員の数がエコノミーのとほぼ同数ではないか。いやぁ、驚いた! オイシイ体験をさせて頂きました。さてさて、僕は、さっきラウンジ錦で朝っぱらからビールを飲んでしまったので、最初の飲み物のサービスではゼクト(Sekt、ドイツのスパークリングワイン)をチョイス。「また飲むんかい!」という感じですが、まぁ、朝っぱらから酒を飲んでしまったので、この路線でいくことにしました(笑)。ただし、機上ではアルコールの回るのが地上よりも早いので、その辺は考慮して飲みましたよ。
10時30分、定刻より10分遅れで出発(飛行機の出発時刻は、離陸した段階ではなく、動き出した時)、滑走路へと向かいます。いよいよ旅立ちます。この瞬間が一番ワクワク、ドキドキします。われわれの乗ったルフトハンザLH741便は一気にエンジンをふかして加速。そして、無事に離陸しました。晴れ渡った空に向けてグングンと高度を上げていきます。
水平飛行に移ったら、ドリンクのサービスが再開。僕は2杯目のゼクトを。それにしても、ビジネスクラスのシートには色々な機能が付いていますし、シートの形を自在に変えることができて、かなりビックリ。子供が知らないおもちゃに夢中になるように、シートの形を変えながら、「オォー!」なんて驚きの声を上げていました(もちろん心の中で)(笑)。
しばらくして昼食の時間になりました。和食と洋食のどちらからか選べるのはどのクラスも同じ。しかし、ビジネスクラスは有名シェフが考案したコースが出てくるのですね。僕は
ヒルトン大阪の日本料理「
源氏」の料理長が考案した和食にしました。
まずは前菜とつきだしとおしのぎが出ました。飲み物はドイツ・ビール(Deutsches Bier)に切り替え。
続いては台の物、香の物、止め椀が出ました。
そして、食後の紅茶(日本茶じゃないところが僕らしい(笑))。
写真の右手に写っているのはチョコレートですが、左手に移っているウサギの形をしたのもチョコレートです。4月12日(日)がキリスト教ではイースター(復活祭)にあたります。それで、卵と並んでイースターの象徴であるウサギの形をしたチョコが配られたのでした。イースターに色をつけた卵を探すという風習があるのをご存知の方は多いと思います。ひよこは卵の殻をやぶって生まれてくるように、受難し、処刑されたイエスが3日後に「死の殻」を破って蘇られたということで、卵がイースターの象徴となったようです。さて、なぜウサギがイースターの象徴となったのでしょうか? イースターに色つきの卵を探すようになったあるイースターの日、子供たちがきれいな卵を見つけた瞬間にウサギが飛び出してきて、ウサギがその卵を産んだと大喜びしたのが始まりのようです。
食後少し休憩して、翌日指揮する曲の楽譜に一通り目を通しました。アルコールが入ってしまいましたが、翌日コンサートで指揮することがこの演奏旅行のいちばん大事な目的ですし、結構重い曲目の割にはリハーサル時間が短いので、指揮者がビシッ!としなければならないので、しっかり読み込み。
往きは太陽と一緒に西へ進みますので、外は明るいまま。雲の上はスカッと晴れ渡っています(当たり前か)。
読み込みが終わった後は、5月17日に本番を迎える「
Viva Opera! オペラ・ガラ・コンサート」の編曲を。この演奏旅行にはノート型パソコンを携帯して、空いた時間に少しでも編曲を進めたい! ビジネスクラスのシートは広いので悠々と作業ができます。オマケに隣りの席は空いていますし。編曲ばかりやっていると、神経が疲れるので、時折眠ったり、本読んだり…。
編曲が一段落つくと、本格的に眠たくなりました。深い眠りに就くためにはやはりお酒の力を借りなくては(笑)。昼食の時、洋食のデザートには美味しそうなチーズが出ていました。目ざとくきちんとチェックしました(笑)。チーズをつまみまがら(といっても、きちんとナイフとフォークで行儀良く食べました)、フランスの赤ワインを頂きました。美味〜。眠るためにはもう1杯(笑)。そうして、深い眠りに落ちたのでした。
3時間も眠ると、夕食の時刻となりました。今度も和食。飲み物はまたしてもビール。結構飲んでるなぁ(笑)。
デザートが終わる頃ドイツ領空内に入りました。食事の後片付けが終わると、いよいよ着陸態勢に入ります。高度を下げ、雲の下に出ると、ドイツらしい街並みが見えました。懐かしい。1年前のSCN演奏旅行が懐かしく思い出されます。やがてライン川が見えました。そして、フランクフルト・アム・マイン(Frankfurt am Main, フランス語ではFrancfort)の街並みが。いよいよ着陸です。
無事着陸! 15時40分(ここからはヨーロッパ時間)、約10分遅れで
フランクフルト国際空港(Flughafen Frankfurt am Main)に到着しました。
さて、問題はジュネーヴ国際空港行きの飛行機への乗り換え。当初の予定でも70分しか乗り継ぎ時間がなかったにもかかわらず、10分遅れたので、1時間しか乗り継ぎ時間がないのです。世界で2番目(あるいは3番目)に大きいこの空港、ばかでかいのです。これはかなり無理しなければなりません。空港の案内人に導かれ、早足でEUのパスポート審査へ。ここからは裏技。おそらく普段は空港職員しか通れない出入り口からバスに乗って、本来歩いて行くべきバスの停留所まで送ってくれたのです。フゥ〜、これで何とかなった。旅客送迎バスに乗って、ジュネーヴ国際空港行きの飛行機の側まで行きます。今回は外から飛行機に乗るみたいです。
タラップで次の飛行機に乗り込んで、いざジュネーヴ国際空港へ。こちらは予定通り、16時40分に出発。ドイツの街並みともすぐお別れ。
予定ではジュネーヴ国際空港まで1時間ほどの空の旅。飛行機の進行方向の左側にアルプスの山々が見えるはずなのですが、今日は雲が多くかすかに見えるだけ。残念。帰りに期待しよう。
アッいう間に1時間は過ぎますね。機内でのんびりしたという気分はなく、飲み物と軽食を飲食しただけという感じ(笑)。もう飛行機が高度を下げ始め、厚い雲間に入りました。
1日目後編へと続く