素人小説ですので、所詮素人とあざ笑うスキルが無いと読めません。
これ書いてるとき、丁度「あれ」見てました。
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音符を打ち込む手を休め、横目にネルを見やる。今日のネルは何かおかしいことに、ハクはすでに気付いていた。
無理やり物をどかして作ったスペースに体育すわりになって、眉間にしわを作り床を睨み付けながら、むっつりと何か考え事をしているようだった。
時計の針の音、キーボードを叩く音だけが、静かな部屋の中に無機質に響く。
「ねーさん」
「何?」
ようやく重い口を開いたネルが、何を喋るのか……しかしハクには、少なからず予想がついていた。ネルがこのように不機嫌なときは、大抵、初音ミクに関する何かである。そしてその予想は、当たらずも遠からずといったところだった。
「ミクのさ……初音ミクに、そっくりな人間が仮にいたとしてさ、でもその人はミクじゃないよね」
そうきたか。ハクは深く息を吸い込み、たっぷり一秒、間を置いてから、息を鼻から吐き出し、語ってみせる。
「そうね。
そっくりに見えるということは、見える部分でしか判断できないからじゃないかしら。見えない部分は判断することが出来ないから、見える部分だけを見てそっくりだと思い込む……でも、ヒトが存在するためには、それぞれ別個のゴーストが宿っていることが必要なんだと、私は考えるけど」
「ゴースト……?」
聞きなれない言葉に、ネルは思わず聞き返す。
「いわゆる魂に近いもの、といった感じかな。そのニンゲンがニンゲンたる由縁、証明…個人を個人たらしめる『何か』……けれど、どんな人間も、それが何なのか、明確に発言することは出来ないのよ。何らかの形で出力するには、人間の出力装置……あらゆる言葉が、まだ未熟だからね」
「意外と……難しいこと考えてるんだね。哲学的だぁ」
そう呟くとネルは、学がない自分を恥じるように俯いてしまった。
「そうでもないわよ。難しいこと考えてたって、出来ることは個人で限られてくるから。私は例えば、ヘタクソな音楽作ることでしか何かを表現できないけど、あなたはまた違う形で、自分の思いを表現できるわ」
その言葉に、ネルは首をもたげる。子猫みたいな顔しちゃって、可愛いじゃない。
「そのミクとそっくりなコ……と何があったのか知らないけど、自分なりのやり方でぶつかってみたら? しょげてるなんて、らしくないよ」
「……気楽に言ってくれちゃって。でも、ありがと。がんばってみるよ」
そう言うとネルは、ニッと笑ってみせた。
「今日のねーさん、なんかイイよ!」
若いっていいなぁ、とハクは、ネルが少し羨ましくなった。
[ 続く ]

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