私には好きな人だと思う人がいた。
ただのチャットであった人だった。
私が告白したとき、あの人にはすでに彼女がいた。
あの人は言った。
「親友いないなら俺がなってやるよ」
涙しか出なかった。振られたのに。嬉しかった。
そのころ私は、特に親しいというような友達はいなかった。
昔はいたが、その人は転校してしまった。
悲しくはなかった。ただ、いつも一人だった。
チャットにはまったのはその人の影響でもあった。
今はチャットでの友達が増えていった。
数日後、あの人が言った。
「彼女、記憶喪失になった。」
反応が早すぎた。
「どうする?」
あの人は問い掛けてきた。私に向かって、「フリー」という言葉を言ってきた。
そのころの私は甘かった。考えが浅すぎた。
今なら分かる。あの人はただ「彼女」という存在があればいいのだと。
疑わしさをもたずに、ただ付き合ってしまった。
無知なのか故意なのかは分からない。
もし本当に彼女がいたのなら、
きっと彼女は記憶喪失なんかになっていない。嘘だっただろう。
最近になってやっと分かったことだった。

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