時折,卵の殻の中にいる自分を意識する.
遠い昔,グルジェフの世界を知った.彼は,
なんじ自身を知れ.されば神も悪魔も恐れる
必要はないと教えた.本当の自分は,未だに
眠り続けて,生涯,目醒めることがない.
描いた夢の数々も,ことごとく泡のように
消える.確かに,ここは夢の世界なのだと,
感心する.憧れて来た様々な世界が,後には
まるで色褪せた世界に変わった.それらは,
果たされず,実現されなくてよかった….
もし,願っていたことが実現していたら,
自分が眠っていることにすら気づかぬまま,
有頂天の世界で,夢を見続けていたかも…?
挫折は,覚醒に至るショック療法にもなる.
然し,目覚めた先は,更に夢の中である.
若い頃,睡眠中に,本当に眠りから覚めて
起きたと思ったら,そこがまだ夢の世界で,
何度も何度も目覚めるのだが,延々と本当に
目覚められないという夢をみたことがある.
習慣的に,そんな状態が続いていたのだ.
卵の中の雛は,自分の力で殻を割らないと
外の世界を知らぬまま,死んでしまうとか.
然し,下手に覚醒を目指しても,更に深々と
夢に埋もれることもあり得る.自分にとって
整体は,覚醒への糸口になると感じた….
サルムンク教団を探しに旅立たなくても,
整体で言う活元運動の正体を探ることでも,
何かが見つかるかも知れぬ.本物は一つで,
無数の夢という偽物が,本物らしく現れる.
この探求もまた死ぬまでの暇つぶしかも?
** 惡魔 **