引き続きチベットの暴動について。
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それでもチベットを支持するべきか (L'ECUME DES JOURS 〜日々の泡〜)
「…私自身は、16日の朝、Rue89で、フランス人旅行者が自分のブログで現場にいたことを報告している記事の中で、チベット人たちが中国人を実際にリンチしていたことをはっきりと知りました。他にも、抗議行動に参加していたチベット人数人がスクーターに乗った中国人を引き摺り下ろし、相手が意識を失うまで殴り続けたのを目撃した旅行者の証言などが伝えられています。
今まで非暴力的な抵抗運動を続けてきたという印象のあったチベット人たちが、中国人に対して暴力を振るい、多分殺人まで行い、商店を荒らして火をつけた…とは、私にとって少しショックな事実でした。
テレビのニュースがラサの暴動の映像に慎重なコメントをつけていたのも、私と同じように「にわかには信じがたい」という反応の結果なのではないかと思います。…」
「…さて、Rue89が引用したフランス人女性ブロガーは、現場を目撃した様子に続いて、チベット人の女の子たちに聞いた話をそのまま書いています。
彼女は、カフェでチベット人の若い女の子5人組と知り合い、そのうちの一人が「これは僧たちのせいなのよ、暴力は私たちの文化にそぐわないけれど、仕方のないことなの」と泣きながら説明し始め、状況が悪化してきたので彼女たちの家に避難して話を聞いたのだそう。彼女たちの説明によれば、中国によって寺院が破壊されたことで、チベットの歴史が破壊されてしまった。それというのも、チベットの文化は口頭伝承が基本であり、それを文献に書いたり保存したりするのは寺院にいる僧だけ。中国政府は寺院を壊し、僧を殺すか拘束するかして、チベットの文化的歴史文献をチベット外にもっていってしまった。また、中国人たちはビジネスを重視し、彼らがよしとする経済活動をチベットにもたらしたが、チベット人にとっては金持ちになることは重要ではない。「自分よりも他人の方が大切」という文化のチベット人は、他人からお金を巻き上げてまで金持ちになりたいとは思わない。物質的に良い暮らしができれば、確かに幸せだろうけど、もっと大事なのは宗教。チベット人は金持ちになりたいのではなく、自由になりたい。昨年、ダライ・ラマ14世がアメリカで勲章を受けて以来、中国政府はチベットの民族衣装を禁止し、チベット人は中国風の服装を強制されている。着たいものすら選べない。ラサの町は近代化され、中国政府はラサに多額の投資をしていると宣伝しているが、チベット人が所有するものを奪っていることについては何も言わない。毎年、多くの旅行者が寺院を訪れ入場料を支払っているが、それはすべて中国人たちの懐に入る。ラサのほとんどの商店は中国人経営で、それはつまり、市場や雇用を左右するのも中国人ということ。職を得るには中国語を話せることが一番重要。中国人たちは、チベット人たちが英語を話すことを好まない。だから多くのチベット人が中国語を学ばなければならなくなっている。けれど、ただ話すだけで読み書きはできない…。」
「…このフランス人ブロガーによると、チベットで中国政府への抗議行動を起こすのはたやすいことではなく、ダライ・ラマの写真を飾っているだけで刑務所か強制労働へ連れていかれてしまうことがあるそうです。…」
「…そして、彼女は、「中国政府は無辜の市民の死を告発している。それは本当のことだ。リンチを受けた中国人や、荒らされた商店の持ち主は立派な人たちかもしれない。でも、人々の感情の爆発を目の当たりにして、こうした状況では悪人・善人という線引きができないことがわかった。チベット人対中国人なのだ。チベット人の犠牲となった中国人たちは、自国政府の政治の犠牲者でもある。チベット人たちは、中国人たちが怖れてもうチベットにやってこないことを願っている」と書いています。…」

スクーターから市民を引きずり下ろして殴る暴徒。
…この「フランス人ブロガー」の証言はかなり信頼できると見ていいだろう。
証言が紹介されている
Rue89は、フランスの左派系新聞『リベラシオン』の元記者によって設立されたインターネット新聞であり、また先にウェブにアップされた一個人ブロガーの記事を紹介するという形を取っているため、欧米系メディアにありがちなチベット問題に対するバイアスの度合いはかなり低いのではないかと思う。
チベット人の女の子たちの言葉は、今回の暴動や暴徒、寺院の僧侶たちが、一般のチベット人市民にとってどういう存在であるかを示す貴重な証言だと思う。
ダライ・ラマを中心とする欧米と結託した国外のチベット独立運動派の言動が、逆にチベットの一般市民の生活環境を悪化させ、民族的アイデンティティを滅ぼす方向へ向かわせている、ということ。
チベット動乱の前、毛沢東はかなり粘り強くチベットを懐柔しようとした。しかし、CIAに煽られたダライ・ラマ14世ら特権階級の蜂起に逆ギレして、徹底した破壊と弾圧を加えた。
もしチベットにCIAが介入しなければ、チベット問題もなかったし、多くのチベット人が虐殺されることもチベット文化が破壊されることもなく、ダライ・ラマも現在の香港のような一国二制度のもとで、「ラスト・エンペラー」溥儀のように、それなりに安穏とした晩年を送っていたかも知れない。
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チベット弾圧:チベット人に扮した警察官がデモ隊を扇動 (大紀元)
「3月14日にチベット・ラサ市で発生したデモ隊列と中共軍の衝突事件で、タイ華僑の女性が、デモ隊の中にチベット人を装った警察官が刀を手に潜入していたのを目撃していた。ダライ・ラマオフィス宗教事務スポークスマンのヌガワン・ニェンドラ氏が18日、国際ラジオ「希望之声」の記者に対し、明らかにした。この女性は、BBC放送の番組で中国大使館が提供したニュース写真の中に、チベット人に扮した警察官の写真を見つけたという。
当該の女性はラサ市で研究しており、現地の警察官と親しくなりよく派出所に行っていたので他の警察官のことも知っていた。14日、ラサ市でチベット人によるデモ行進が行われ、当時彼女と他の外国人達は八角街の派出所に名義上「保護」のために集められた。その際、警察官が手に刀を持ち、逮捕した人と共に派出所に入って来たのをその目で目撃。その後、その警察官は、チベット人の服を脱ぎ捨て警察の制服に着替えたという。
ニェンドラ氏によると、この女性がもともと警察官の友人であり、当時その近辺は危険であったため多くの外国人と共に派出所の中に「保護」されていた。それは中共が全ての外国人に早く、チベットから離れさせることを決めたからだという。そのため外国人らは「保護」され派出所の中で待たされ、一刻も早くチベットから離れるよう促された。この女性は、こうしたことを目にして、やっと、警察官がチベット人に扮してデモ隊に潜入していたということは人に話してはいけない秘密なのだということを知ったという。
このタイ華僑の女性はこの出来事を見て非常に驚き、これらはすべて人を欺く行為だと思ったという。中国共産党政府は社会の混乱を造り出している。警察が率先してこのようなでっち上げをすることは許されるはずがない。
2日後、この女性は他の外国人と共にラサから離れることを迫られ、ネパールを経由し、インドに到着し、BBCの番組で中国大使館が提供したメディアの写真からチベット人に扮したあの警察官を見つけた。この女性の目撃では、実際は、チベット人に扮していた警察官が人々を煽動していたという。事実が隠ぺいされていることにこの女性は驚いた。
女性は、インドのチベット人亡命組織にこの事を知らせた。17日の集会において、チベット人組織は外部に対しチベット人に扮した警察官の写真を発表した。中国大使館はメディアに対し前後に2枚の写真を提供したが、その写真からはチベット人に扮した警察官は消えていた。
この写真は中国大使館がBBCと自由アジアの声に対し送ったものだとニェンドラ氏は話す。もう一枚の写真にもこの人物は映っていない。テレビ画面にはこの刀を持つ人物は映っているうえに、人を切りつけていたにも拘らず、その後のカメラはこの人物を追いかけていない。全くのでっち上げであることがわかる。ある人がこれらの問題を提出したところ、テレビ画面からも映像が消えたそうだ。
デモ抗議事件で、警察官が暴徒に扮して煽動や濡れ衣を着せるための行為を図ったのは一度だけではない。1989年チベットに深く入り込んで取材を行った中国の記者・唐達献氏は「刺刀直指拉薩――1989年チベット事件記録」という記録を書いている。記録には、当年チベット人が起こした平和デモの数日後、中共当局は多くのスパイと普段着を用意し、市民や僧侶に扮し計画的に状況を盛り上げ、経塔を焼き払い、穀物食糧販売店を襲い、店から根こそぎ略奪し、民衆による物資の略奪を促した。この作戦が成功した後、軍警察は血腥い鎮圧を展開したのであるとされている。
今回のチベット民衆による抗議行動は1989年と似ている。20歳前後の男性のグループが十分に計画を練ったうえで行動を起こしている。まずスローガンを叫び、すぐさま小昭寺の近くに駐車してあった車両に火をつけ、その後周囲の商店に押し入り、商品を略奪したうえ、続けざまに数十件の商店を焼き払っている。行動には秩序があり、歩調も機敏で動作も手練れたものである。小昭寺付近の道路にはすでに大きさが揃った、重さが1、2kg前後の石が用意され、配備された公安や私服警官らが早めに登場。その後、大量の軍警察と軍用車がすぐに到着し、違和感なく発砲し「暴動鎮圧」というシナリオを成功させる。
中国共産党が、再び暴力事件を画策し、チベットの罪なき人々に濡れ衣を着せるのか否か、世界中が注目している。」

右上の人物がナタ状の刃物を持っている。
…「現地警官がチベット人群衆に扮して暴動を煽っていた」というのは、本当なら大変な話だ。
しかし、文中に出てくる国際ラジオ「希望之声」は、台湾から中国国内向けに発信されている短波放送であり、またこの「大紀元」は、中国当局によって激しい弾圧を受けている「法輪功」の運営するサイトだ。つまりどちらも完全な反中国メディアなので、その発信する情報をそのまま受け取るわけにはいかない。しかも証言者はダライ・ラマ事務所のスポークスマンだ。(法輪功は台湾起源の気功団体だが、その資金源が不明なことから、CIAの支援を受けているという噂も根強い。)
まず奇妙なのは、中国当局が、オリンピックを控えた今この時期にチベットで暴動を煽る理由が全くないことだ。
「大紀元」の主張するように、オリンピックの時期に騒乱が起きるよりも前に、騒乱が起きそうな地域で先に挑発行為を行って、おびき出された暴徒予備軍をあらかじめ捕らえておく、というのは、確かに理屈は通っているが、かなり強引な話だと思う。
現に今回の事件で中国には国際的な非難が集中し、チベット問題は世界中で再燃し、オリンピックボイコット論も高まっている。中国当局にとってはダメージの方が大き過ぎる。
もし中国当局がそうやってチベット問題を早期に「処理する」つもりなら、オリンピックがこんなに差し迫った時期ではなく、何年も前にやっていればいいことだ。
もうひとつ考えられるのは、チベットの治安当局がもはや中央の言うことを聞かなくなっているという可能性で、実際そうした説を唱えているサイトもある。共産党中央の政権は、地方の軍や警察などを掌握しておらず、中央に対して威力を誇示したいチベット方面軍などが独走した、というものだ。しかしこれも微妙なところだろう。
また、暴動がCIAなどの外国諜報機関の仕掛けたものである場合、証言者の言う「現地警官」ら煽動者がその工作員である可能性も有り得ないことではないし、その場合、そうした外国勢力が、中国の地方軍や警察に食い込んでいる=分離工作に成功している、ということになる。これまたそういう説を唱えるサイトもあるが、保留しておく。
むしろ重要なのは、この報道の末尾部分で、暴動が特定のグループによって、非常に組織的に秩序だって準備され、引き起こされたものだということだ。これはおそらく紛れもない事実だ。こうして反中国メディアからその内容が報道されることで、その信憑性は強化されている。
この報道から「警官と友人」だという女性の証言を外してみると、報道は暴動の発生の瞬間についての生々しいレポートに変わる。
今回の暴動について、亡命政府のダライ・ラマ14世が直接噛んでいるかどうかは微妙なところだろう。むしろ、現地のチベット仏教徒と、チベット人不穏分子の中に入り込んだどこかのエージェントが直接暴動を起こした可能性が高いように思う。

この僧侶たちの持っているようなチベット国旗などの「グッズ」は、どこから供給されてるんでしょうか。
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「世に倦む日日」による秀逸な分析。さすがです。
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チベット暴動の政治 − 五つの視点からチベット情勢を考察する
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チベット問題を論じる前提 - セーフティネットとしてのトウ小平路線国家