『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』 ★★★★★
もはや歴史が変わる瞬間を目撃したような感覚さえ覚える、興奮のSFエンターテイメント。見た後しばらくは記憶の中に刷り込まれてしまうようなインパクトだ。
まず驚いたのがこの作品に古臭さを感じさせないこと。
序盤は10年以上前に作られたアニメとほぼ同じ展開でアングルなどもほとんど同じなのだが古いと感じさせなかった。
素晴らしく面白い映画だったがマイナスポイントが幾つかある。
1つは話の展開が速すぎると感じるシーンがいくつかあったことだ。
アニメでは3時間ほどのストーリーを、新要素も入れて1時間半強でまとめるのはかなり困難な作業だっただろうが、ここはもう少し頑張ってほしかった。
初めて見る人は話が良く分からないだろうし、シンジが悩むシーンも結構カットされているので心理描写にあまり重みが無い。
だけど、心理描写に関しては他の映画と比べて少ないとはいえない。
あくまでアニメと比べて心理描写が少ないと感じただけだ。
2つ目はヒロインである綾波レイの存在感が薄いことだ。
もう少し出番を増やして感情を表に出さないというキャラを印象付けておかないと本作のクライマックスである「ヤシマ作戦」の最後に彼女が笑うシーンが少し台無しになってしまう。
彼女をただお色気シーンで使うだけではもったいない。
世間では宇多田ヒカルの歌を批判する人が多いが、僕はこの歌は非常にマッチしていて良いと思う。
だがこうしたマイナスポイントがあってもそれが気にならなくなるくらいこの映画は面白いのだ。
僕が思うにアニメ版と新劇場版の違いは根本的なコンセプトだと思う。
アニメは神話や哲学的な会話、徹底的な心理描写がメインだったと思う。
ラストもシンジの心の中で完結するという前代未聞のラストだったがそう思えば納得できる話だ。
それと反対にこの新劇場版はエヴァと使徒の戦いというエンターテイメントがメイン。つまり観客を喜ばせるというコンセプトで作ってあると思う。
シンジが初めて初号機で出撃するシーンの畳み掛けるようなハイスピードな演出はハリウッドに見習ってほしいとさえ思わせる。
本当に神演出だと思う。
アニメ版も凄い演出だったが、新劇場版ではさらなる進化を遂げていた。
絵も凄くシャープできれいでしたしね。
第3新東京市が本当の姿を見せるシーンやエヴァなどはCGで作られてると思うんですが、それがまたビックリするくらいマッチしていました。
ふつうアニメだとCGのシーンの動きだけが滑らか過ぎてなんか違和感を感じるものが多いんですがね・・・。
この監督メカとか凄く好きなんだろうな、と思わせるほど凝りに凝っています。
動きとか背景とかなんかもう凄すぎてどうしよう!?って感じです。
絶対コレはリピーター続出しますね。
そしてクライマックスの「ヤシマ作戦」。
まさかここで泣かされるとはね・・・。泣いたっていうか目頭が熱くなった。
ミサトの台詞回しとかがもう神過ぎてね。
劇場でじかで見てほしいから詳しいことは言わないけどこれは良いよ。
それと個人的にはミサトがアニメ」より優しくなった気がする。具体的には説明できないんだけどなんか母性愛っつうのか良く分からないけど優しくなったよ。
後もう少しペンペンの出番増やして欲しかったかな。
それとカヲル君。
ちょっとずるいよね。最後にチョロっと出てくるだけじゃん・・・。
まぁ満席の劇場でほとんど誰もスッタフロールで席を立ち上がらなかったから言う必要ないかもしれないけど
「絶対全てが終わるまで席を立たないほうが良いよ」。
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