「サイレントヒル」 ★★★★☆
圧倒的なビジュアルと怖さ、ミステリーを兼ね揃えた悪夢のようなホラー映画の傑作。
周知のとおり大人気ゲームの映画化である。
ゲームの映画化となると『バイオハザード』や『トゥームレイダー』などが有名だが、
本作は今までのゲームを映画化したものと比べ映画としての品質が格段に高い。
『サイレントヒル』のゲームとの大きな違いは主人公が女性であるというところだろう。
このアレンジは素晴らしいと思う。
ゲームではクリーチャーをバンバン倒していかないといけないので主人公が男でないと違和感があるだろうが
子供を捜す、という主人公の行動はどちらかというと母親の方がしっくりと来し、
女性の方が非力な為ホラーとしても緊張感が増している。
しかも、凄いことにこの映画はホラーの癖に心臓にやさしいのだ。
まぁ別にやさしいわけではないけれどホラーにありがちなビビらせるという手法を使っていない。
いきなり大音量と共に怪物が出てくることは一切無いのだ。
ではこの映画は怖くないのか?
否、この映画は心底恐ろしいのでその手の体制が無い人にはけしてお勧めしない。
じっくりとこの映画は視聴者達を出口の無い悪夢体験に引き込んでいく。
※以下ネタバレ
まずこの映画で恐ろしいのはクリーチャーたちだ。
そのビジュアルはあまりにもおぞましく、到底その気味悪さは文章で表現できるものじゃないのであえて書かないが
人生に出会った映画に出てきたモンスターの中ではNO,1だといっても過言ではないだろう。
だが、本当に恐ろしいのはクリーチャーではなく人間達なのだ。
アリッサというまだ幼い子供の悲劇はあまりにも痛々しい。
学校で魔女だと虐められ、清掃員のおじさんにまで酷いことをされる。
直接的な描写は無かったが清掃員のおじさんにされたことはレイプに近いものだったと推測される。
さらに、狂信的な大人に最後は磔にされたまま火あぶりにされてしまうのだ。
近年の映画では子供は守るべきものとされているのに、ここまで酷いことをしてしまうのには驚いた。
このあまりにも酷い出来事が怨みによって町全体を呪ってしまうという奇想天外な出来事にもリアリティを与えている。
さらに、シビルというこれまで主人公と共に悪夢のような世界を潜り抜けてきた女性警察官までもが火あぶりにされてしまう。
凄いのはその火あぶりのシーンをドアップでストレートに映している事だ。
次第に焼け爛れていく肌がなんとも痛ましかった。
それを当然のように自分達が正義だと思っている狂信者達に見てるこちらも殺したくなるほどの憎悪が生まれてくる。
ここまで僕が映画の中のキャラに腹を立てたことは無かった。
酷い。あまりにも酷すぎる。自分達が酷いことをしているのに真っ黒になった死体に「悪魔め!」などとののしる様子は見るに耐えなかった。
ただその憎悪をちゃんと最後に発散させてくれるところがうれしい。
アリッサが狂信者どもを八つ裂きにするシーンはこんなこと思ってはいけないと思ってきても「もっとやれ!」「もっと苦しめ!」と思ってしまうはずだ。
サイレントヒルの真相
映画の中では完全に説明されなかった部分を僕なりの解釈で解説してみようと思います。
あくまで僕個人の解釈ですのでこれが正しい真相だというわけではありません。
さて、説明されなかった部分とは映画のラストでローズとシャロンが家に帰ったにもかかわらず
深い霧のようなもの(灰?)が立ち込めていて、夫とは再開できなかったというシーンです。
さて、予想できる答えはいくつかあります。
@アリッサの分身であるダークアリッサはすでに死んでいてシャロンと合体し、1つの体に戻ったため死後の世界に留まるしかなかった。
Aサイレントヒルに入る前の事故ですでに2人は死んでいた為、アリッサの怨みは果たして町からは開放されたもののもとの世界には戻れなかった。
Bアリッサの呪いは解けたが、今度は火あぶりにされたシビルの呪いがかかってしまった。
Cアリッサの呪いは完全には解けていなかった。
Cはありそうですが、あれだけ暴れたからアリッサも成仏しただろう。つか成仏しなきゃかわいそうだ。
という僕の個人的な心情で却下。
Bも呪うならローズ達を道連れにする必要はないし、サイレントヒルだけではなくローズの家にまで呪いがかかるのはおかしいし
呪うべき人間がアリッサによって惨殺されているため、のろいをかける必要が無い。
よって却下。
僕は@とAで悩んでますね。
一時はまだ死んでないローズまでも死後の世界に居るわけが無いという理由で@を却下しそうになりましたが、
子供にとって母親は神様なのでローズがシャロンと共に居るという選択をしたとも考えられますしね。
DVDのインタビューで「続編は作るんじゃないですかね?」と関係者が言っていたのでその真相が明らかにされることも夢ではないようだ。
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