「イスラエルの、イラン核・先制攻撃は中東地域のさらなる不安定化を招く」(WAM)
IPSJapan2008/07/08
イランの核開発は、国際的に激しい議論を巻き起こし、イラン政府と西側、とりわけ米国政府との深刻な対立の主因となっている。イスラエルの先制攻撃(武力行使)は、中東に破滅的な結果をもたらすばかりでなく、全世界にとっても破局的結末の端緒となろう。
中東 安全保障 NA_テーマ2
【アブダビWAM=6月26日】
アラブ首長国連邦(UAE)英字日刊紙は、イスラエルが準備を進めるイランの核開発に対する先制攻撃について論評した。イランの核開発は、国際的に激しい議論を巻き起こし、イラン政府と西側、とりわけ米国政府との深刻な対立の主因となっている。
イランは、イスラエルがそうした行動に出るならば域内に壊滅的な被害をもたらす事態が生じると脅し、一方国際原子力機関(IAEA)のモハメド・エルバラダイ事務局長も「そうした行動は地域を火の玉にするようなもの「と警告している。
ドバイの『カリージ・タイムズ』紙は、「イランに対する狂気」と題する論説でこの問題について次のように論じている。「この24年間、中東はイランの核施設に対する米・イスラエルによる空爆の噂に翻弄されてきたが、幸いなことに単なる噂に終わってきた。しかしイラン攻撃のシナリオの深刻さは、6月24日早朝広がり始めた攻撃の噂に、域内の市場が暴落したほどのものである」。
「最近のイスラエルの軍事演習は、イランの核施設攻撃を睨んだ軍事訓練の一環と米国が確認したことから、域内の市場とメディアは最悪のシナリオとそれが中東に及ぼす副次的影響に不安を深めている」。
「イスラエルによるイラン攻撃は、たとえ限定的な空爆であったとしても、まさに狂気と言えよう。イランがそうした無責任な行動を甘受することはあり得ず、イスラエルと西側の標的に報復することは確実である」。
「このページのトップ記事が論じているように、ペルシャ湾にこれほど近接して行われる攻撃は、世界の大半の原油の輸送ルートであるホルムズ海峡に影響を及ぼすことは確実だ。世界市場そしてすでに高騰している石油価格への影響が壊滅的であることは言うまでもない。この戦争の人道的コストは言わずもがなである」。
「すでに2つの戦争の結果への対処に手一杯な中東およびイスラム世界に、新たな戦争の余裕などない。イランに対する攻撃はまた、中東およびさらに広いイスラム世界を激高させ、さらなる不安定化を招くことは間違いない。武力行使は、中東に破滅的な結果をもたらすばかりでなく、全世界にとっても破局的結末を意味するものである」と『カリージ・タイムズ』紙は結んでいる(原文へ)。
翻訳=坪沼悦子/武原真一(Diplomatt)
http://www.news.janjan.jp/world/0807/0807071423/1.php