イラン核開発「米政府とイスラエル政府が何もしないはずはない」とUAE紙(WAM)IPSJapan2008/07/14
アラブ首長国連邦のひとつ、ドバイで発行されている英字新聞「カリージ・タイムズ」紙が、中東に将来起こりうる状況を分析した。米国当局者がイランのウラン濃縮への執拗な意欲を標的にしているのは間違いないと解釈している。
【アブダビWAM=6月21日】
アラブ首長国連邦のひとつ、ドバイで発行されている英字新聞「カリージ・タイムズ」紙が、中東に将来起こりうる状況を分析した。今後の展開を予想する上 でイランとイスラエルの権力構造に焦点を当て、イランの核への野望の果たす役割を解説しながら、同紙は次のような社説を発表した。
「米国当局者が、イスラエルの軍部と外交活動の連携を、『多くの情報伝達がなされて』おり、イランのウラン濃縮への執拗な意欲を標的にしているのは間違 いないと解釈しているのは、正しい。イスラエルが最近行った大規模な軍事演習は、差し迫ったイランの核施設攻撃を想定した訓練のように思われ、この半年ほ ど本紙が社説で繰り返し述べてきた疑念が裏付けられた」
「次々に明らかになる展開からすると、オルメルトとシリアのバッシャール・アル・アサド大統領が来月パリで直接顔を合わせるときに多くが明らかになるも のと思われる。ゴラン高原交渉の核心にあるのは、シリアが快くイランおよびレバノンの上客であるヒズボラと手を切るかどうかである。イスラエルからであろ うと米国からであろうと、あらゆる攻撃に対するイランの報復は、ヒズボラおよび中東全域の類似組織を利用した敵の資産の破壊となるだろうから、そうしたゲ リラ組織の追放はイスラエルが先に攻撃を仕掛ける場合には不可欠である」
「イスラエルが、1967年の悪名高い6日間戦争以来避けてきた問題である、占領した高原を返還する意思があるということは、その思惑がどれほど真剣であるかを物語っている」
「軍事攻撃の深刻な脅威と3回の制裁にもかかわらず、イランが核拡散防止条約(NPT)の規制の下での核エネルギー生産の合法的権利と考えるレベルを撤 回するつもりがないのは明らかだ。したがって、行動を起こす側であり、ブッシュ大統領の任期も間もなく終了する今、米国政府とイスラエル政府が、中東の伝 統的な影の実力者サウジアラビアに代わりイランが中東の新たなドラマの監督の席に座るのを、何もしないで見ているはずはない」
「軍事活動の最終承諾にのしかかるもうひとつの重大な要素は、米国の選挙の様相である。共和党のマケイン候補はすでに『イラン爆破』の動きに同調してい るが、マケインの評価が上がらずにオバマがこのままブッシュ引退までリードを保てば、攻戦的なブッシュ大統領が、民主党が政権復帰した場合の中東からの米 国の撤退の可能性を恐れて、攻撃という制裁措置を取る可能性もある」
「米国当局が『ニューヨークタイムズ』紙に何を語ろうと、イスラエルの思惑はどうであれ、起こりうる攻撃は一国で行うものとはなりえない。米国政府のイラン政府に対する欲求不満は隠せず、中東の騒動では必ずイスラエルに保護を提供するのは明らかだ」
「この大局図に欠けているのは統一されたアラブの声である。いよいよとなれば誰がもっとも失うものが多いのかを判断するのに中東専門家は必要ない。アラ ブ世界は明確で強固な姿勢を示す必要がある。核装備したイランは誰の利益にもならないが、軍事行動と数百機の戦闘機による武装訓練もまた我慢ならない」と 同紙は締めくくった。(原文へ) 翻訳=角田美波/武原真一(Diplomatt)
http://www.news.janjan.jp/world/0807/0807131876/1.php