At the Crossroads / Barrel House Story
Barrel House Story

国分さん
by Masahiro Satoh
「ヨ! こんばんは。」
「お! マサ君、相変わらず、もう飲んでるのかい? えぇ? 仕事もしないで・・」
「あはは・・一緒にするなってか・・ははは、そうかそうか・・」
「よいしょっ・・と。 は〜〜どうもどうも・・」
「え〜〜と・・お湯割りかな・・そうだネ、お湯割り、ちょうだい」
「梅?・・梅ねぇ〜〜。イヤ、いらない」
「・・・・・・・」
「きょうは、なにかい? 練習かい? ・・おお おお それはそれは・・ご苦労さんですねェ」
「毎日やってんの? ああぁ・・ 昼休みに・・」
「ははははは・・そうだなァ・・歳とるとねェ〜・・うん」
「はいはい。・・え〜〜・・はい、じゃぁ・・どうもどうもお疲れさん・・(グ ビリッ!)」
「ええっとぉ・・それからサ・・オシンコある? オシンコ・・ある? じゃあそ れちょうだい・・」
「・・・・・・」
「・・・・・」
「しかし、あんたも大変だね、仕事はしなきゃぁいかんしサ、ネェ、酒は飲まんきゃなんないし、ギターの練習はしなきゃぁなんないし・・」
「・・・・・・・」
「はは・・、そうか、飲むのは苦にならんか、ははは・・・そりゃそうだ、はは・・」
「・・・・・・・」
「ん? いやいや、きょうはここでチョット飲んでネ、帰るサ。うん・・」
「飲むときはネ、つぎに行って・・正式に・・ははははははは、正式にネ、そうだろ? アンタだって・・・はは・・」
「いや、あんまり行かんよ、あすこには・・たまぁ〜〜にだネ、たま〜〜に」
「ウン、・・昔はよく行ったけどね・・・」
「石井さん? ああ 何ンか・・ 工作棟んトコに来てたねェ・・うん・・・」
「あの人もたいへんダァ・・あっち移ってからネ・・遠いし・・・」
「ん?オレかい?イヤ、最近はね、クルマ運転するし・・あんまりネ酔っ払ってばかりもいられないんだよ、オレもね」
「うん、最近ね、よく・・・」
「・・・・・・・」
「イヤ、・・アンタもサ、・・まァ、・・聞いてっかも知れないけど・・・」
「うちのカカァがさ、・・・ちょっとあって、しばらく入院してたんだヨ」
「まぁ・・・アンタも聞いてっかも知れんけどネ・・。いや、 退院したんだけどサ、もう」
「・・・・・・・」
「・・・・・」
「イヤ・・マァ・直ったわけじゃぁないんだけど・・・家からね・・・しばらく通院」
「それでネ、・・まぁ、・・病院にね、連れてってんだヨ。・・ウン、車でね」
「・・・・・・・」
「・・・・・」
「え〜〜と・・・チョット・・ねぇ、おれにもう一杯頂戴。うん、おかわり・・。そう、おんなじの」
「・・・・・・・」
「・・・・・」
「まぁ、大変も、大変じゃぁないも・・そんな訳でね・・」
「チョクチョク車を運転するんで・・ね」
「・・・・・・・・・」
「運転っていえばサ、この前さ、・・・まぁチョット前だけど・・・。事故起こしちゃってネ」
「イヤイヤ!、イヤ、たいした事はなかったんだ。・・車はね、そりゃぁ、へこんだけどさ」
「いつものように病院行く途中でさ、まぁ、慣れた道でオレも油断があったん
だろうねェ」 「・・・・。四つ角で右折しようとして右にハンドル切ったんだよ・・・」
「そしたらいきなり、ガツーンッ!! とやられてサ、おお、助手席のほう、カカァが乗ってるほうヨ」
「ビックリしたもなにも・・・瞬間、シマッタ!!・・・と思ったね」
「・・カカアの側だったからね・・・。いやぁ・・・アセッタよ」
「ケガ? イヤ、それはね、ケガはまぁ大したことはなかったんだけどネ。病院で診てもらったから」
「ほ〜〜んと、ビックリしたよ」
「・・・」
「オレもねぇ〜、確認はサ、したんだけどサァ〜。・・・ヤッパリどっかに油断があったんだなァ・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・」
「しっかし、マサ君サ。・・・・うまくいかんもんだな」
「何がってサ。・・・・・ど〜してこうなるんかね」
「うまくいかんよ・・・」
「俺のことだけどさ・・」
「まぁ、・・・・ネッ・・俺はサ、こんな生き方して来てるから、そのうちどっかでバチが当たると思ってるよ。・・・俺がネ」
「イヤ、ほんと。 ・・・・必ずバチ当たるね。・・死ぬまでにネ・・・・」
「だけどサ、ナッ、おかしいよナ、・・なんでカカァにあたるんだろ・・・・・」
「オレに当たんないでサ。・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「うちのカカァはさ、あんなヤツだけど、バチの当たるようなヤツじゃぁないヨ」
「ナッ、マサ君、ナッ、なんで病気のカカァにあたるんだろう。・・・・・・・オレじゃぁなくてヨ」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「オレもね、こんなだから・・・そりゃぁ夫婦喧嘩もしたサ」
「この野郎、・・別れてやろうかと思ったこともあったさ。・・・・・若いころはヨッ・・」
「だけどサ。・・・・・・・・・・」
「こんな事があったから言うわけじゃぁないんだけどサ・・・オレぁ・・決めたネ。・・・・・」
「決めたっていうか・・・・・・・・・・・・分かったよ」
「オレは、金輪際! 二度とそんなことは思わんヨ」
「別れようなんてネ、もう思わんよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「オレぁはね・・・。思ったね。・・・コイツとネ、最後まで一緒にいようってネ・・・・」
「何があってもネ。・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・」
「おかしいもんだねェ、夫婦なんてものはヨッ・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「何だ?・・もうしまいかい?」
「あぁ・・練習するって・・・大変だねアンタも・・」
「はいはい、ご苦労さん。頑張ってください。はいはい」
2000.nn.xx
Refresh Center 1F Lounge
27 February 2001
Written by Masahiro Satoh