2012/5/18

日本に帰ってきて感じること。  その他日本の鉄道

こんばんは。

前回の記事を書いた後、無事に日本に帰国を果たしました。
前通ってた学校に復学し、現在何の不自由もなく日本の生活をエンジョイしているわけですが、まぁ改めて帰ってきてみて、良くも悪くも「日本ってあだな、こーだな」と思うことが増えたように感じます。その中でも最近思うことの一つが、街にあふれる英語の不自然さです。

日本語ができない外国人への配慮が進んでいるのは素晴らしいことですが、当然とりあえず英語を書いとけば外国人がわかってくれるというのは大きな間違いです。

そこで今日は、毎日耳にする列車の車内放送から、いくつか筆者がむむっ、と思ったものをピックアップしてみたいと思います。


東急線編

まず東急です。この会社の英語は、日本の鉄道の中でもかなりひどい分類に入るのではないかと思います(笑)

1.Thank you for using the Tokyu Ikegami line.
この表現(Than you for using...)は、東急線に限らず割と多くの鉄道会社で使われているように感じます。鉄道以外でも、この間都内の某映画館で耳にしました。
恐らく「…をご利用いただきましてありがとうございます」を直訳した表現だと思われますが、英語ではすべてのものに対して、使うという動詞、つまりuseを用いることはありません。
日本語でも実際の話、日常会話では「映画館を使う」とか言いませんよね??
鉄道の場合、この際は
"Thank you for travelling on..."
もしくは
"Welcome aboard the...line service"
というあたりが妥当でしょうか。

2.We will soon make a brief stop at Yukigaya Otsuka.
「まもなく…です」という放送の英語案内として流れるこの放送ですが、まったく間違ってはいません。
ただ日本語に対して言い回しが長すぎるように感じませんか。各駅停車に乗っていて、駅に着くたびにこれを言われると、正直イライラしてきます(笑)
実際、英語でも日本語でもそうなのですが、案内というのはコンパクトでわかりやすいのが一番です。実際英語発祥の地イギリスでも、このような長ったらしく回りくどい言い方はしません。そのかわり、
"We are now approaching..."
や、
"We will shortly be arriving at..."
などとよく表現されます(因みに後者は、似た表現(shortlyではなくsoonを使用)が東急でも終点につくときに使われます。ほかの駅もこっちにすればいいのになー。)

3. This train will merge and continue travelling as an Limited Express on the Minato-Mirai line to Motomachi-Chukagai.
いや、これは究極です(笑)
聞いたときに思わず吹いてしまいました(笑)
直訳すると、「この電車は、(みなとみらい線に)併合し、みなとみらい線内で特急として走行し、元町中華街まで参ります」。
…いや、みなとみらい線の案内そんな詳しくしなくていいから。。笑
「併合し」の前の「みなとみらい線に」を括弧にしましたが、それはmergeという動詞が何にかかっているのかによって意味が変わってくるからです。というのも、mergethe Minato Mirai lineにかかっているのならば「みなとみらい線に併合する」という意味なのですが(この際も使う動詞はjoinの方が適切ですね。ただ、それでも「みなとみらい線に合流する」という意味になり、支線からみなとみらい線という本線に向かう列車のようなニュアンスになってしまいます)、もしそうでなければ単に「この電車は併合し」といってることになるので、どこかで増結ずるという意味にも取れてしまいます。
さらに、"continue travelling as an Limited Express on the Minato-Mirai line"という表現ですが、日本語にすると「特急としてみなとみらい線内を走り続けます」という感じで、二通りの意味が取れてしまいます。今もうすでに特急で、みなとみらい線内も特急として走り続けるという意なのか、今は特急以外の何かで、みなとみらい線内に入って特急となって走り続けるという意なのか、ということです。

いやぁこの放送のわかりにくさはとてつもない。鉄道の運行形態なんて国によってさまざまなので、日本の鉄道になれていない人にもわかるように、この「直通運転」という概念を案内してほしいものです。

イギリスも違う路線同士の乗り入れというものはないので、この列車案内をどうやってわかりやすく説明すればいいのか、自分なりに考えてみました。

This is the direct Limited Express service to Motomachi Chukagai via the Minato Mirai line.
「この電車は、みなとみらい線経由の元町中華街行き直通です。」

こんな感じでしょうかねー。

4.Passengers changing to the Meguro line and the JR line, please transfer at this station.
こちらも決して間違ってはいないのですが、長い。ここはほかの会社のように、単純に
(Please) change here for...
がいいですし、現地でも使われています。
因みに上に書いたのは武蔵小杉の例ですが、ここには2つのJR路線が乗り入れているので
JR line"S"であるべきですね(横浜や渋谷なども同様です)。


JR東日本編

この会社は、(少なくとも東急に比べると)割とまともな英語を使っている印象を受けます。基本的な表現は現地でも用いられる言い方で、非常に良いと思います。
ただこの会社で問題なのは、車内マナーの放送です。ほかの会社のほとんどがマナー放送を日本語のみで流す一方で、異文化の外国人にも日本流マナーを理解してもらおうという姿勢は素晴らしいと思います。ただ、言い回しに少々改善の余地があるかと。。。

1.Please switch off your mobile phone when you are near the priority seats. In other areas, please set it to silent mode and refrain from talking on the phone. There are priority seats reserved for elderly and handicapped passengers, expecting mothers, and passengers accompanying small children.
まず、これは路線と区間にもよるのですが、この携帯マナーの放送と優先席の案内が同じ区間で流れるときの順序が明らかにおかしいです。優先席の存在を知っているのが前提な携帯マナー放送が流れた後に、優先席の存在についての案内をします。これは日本語放送でもそうですが、明らかに逆でしょう。
携帯の放送そのものについては特に問題ないとおもいます。
ただ優先席案内には、いくつか指摘したいことが・・・。この案内の文の形は"There are priority seats..."というものですが、これでは極端に言えば、「優先席があります。以上!」と言っているようなものです。つまり、この優先席というものがどこにあるのか、だから何をしてほしいのか、といった情報が全く入っていません。もしかしたら駅について語っているのかもしれないし、それとも駅前のバス停、近所のスーパー、それとも上海の地下鉄についてかもしれないのです(笑)
さらにreserveという単語は意味が強すぎるかな…。ほかの人は座るなという印象を受けます。あとExpecting motherという表現は「妊娠中のお母さん」という意味で、つまりこれから第一子を産もうとしている方には優先席に座る権限がないというニュアンスになっています(笑)

これらを踏まえて、こんな感じの放送がいいでしょうかね。
Please note that, some seats on the end of each coach are priority seats. These should be given up for people with disabilities, elderly passengers, expectant mothers, and those accompanying small children.
Please note that...という言い回しは、お客さんへの注意や勧告をするときによく使われます。また、すべてをきれいに並立させるために、あえてelderly passengersとhandicapped passengersを分け、またその代わりに、passengersという単語の繰り返しを防ぐために、最期をthoseにしました。

※5月20日追記
"handicapped"という表現は現地であまり聞かなかったなーと思って調べてみたところ、どうやら差別用語として現在では用いられていないようです。


2.It may be necessary for the train to stop suddenly to prevent an accident. So please be careful.
まず、preventという動詞は不適切でしょう。この動詞は、どちらかというと予防するという意味で、事故には使われません。
さらに、文頭にsoを用いるのは基本あまりよくない(例外多数あり)ということは、中学生レベルの文法です。be carefulというのも、「常に気を配っておけ」というニュアンスがあるので、この場合は不適切でしょう(つねに「いつ急停車するか」なんて意識しながら電車に乗る人はまずいませんね。)さらにこれでは何をcarefulするべきかというのが不明瞭です。「電車が急停車しなくてはいけないことがある」ことを気をつけろというのは意味が通りません。

Please be aware that, the train may stop suddenly to avoid an accident.

先ほどの優先席の放送もそうですが、あくまで原文をなるだけ残そうとしているのですが、実際のところ英語の案内というのは、全員が常識としてわかっていることを改めて言うことを嫌います。たとえば、people with disabilitiesといえば説明するまでもなく老人や身体障害者といった人たちですし、急停車と言ったら理由は事故防止なわけです。本当のスマートな英語は、こういうところをきれいさっぱり省くんですけどね・・・。

3.The first four cars go only to Zushi.
横須賀線の下り電車でよく聞く放送です。
まず、「前」4両が逗子行きな訳ですから、firstよりもfrontの方が正しいでしょう。また、go only to Zushiは、「逗子にしか行かない」という意味になってしまいます。これでは、鎌倉観光にいくガイコクジンの皆さんはびっくりですね。

The front four coaches terminate(s) at Zushi.

がいいでしょう。terminate(s)としたのは、主語がfour coachesと複数形ですが、それを一列車としてみなす場合は単数として扱えるからです。



とりあえずこんなところでしょうか。車内放送以外にもいろいろ気になる英語があふれているのですが、きりがないのでこれくらいにしておきます。京浜東北線とかのドア上のモニターの英語案内も、いろいろ面白いですよ(笑)

一つだけ言っておきたいのが、ここで紹介した原文は一切文法的には間違っていない、ということです(むしろ私が新しく書いたやつの方が間違っているかもしてません。ごめんなさい笑)。ただ、英語というのはあくまで言語、つまり何かを伝えるための手段の一つであります。いくら正しい文法で書いたって、伝わらなきゃ意味がありません。日本の英語教育というのは、本当に細かい文法とかアクセントとかばかりで、もっと本質的なところ、つまりどのようにして自分の言いたいことを伝えるのかというところが、すっぽり抜けてしまっている気がするんですね。この放送たちが、それをよく表しているのではないでしょうか。ネイティブの声を使って、文法的には全く間違っていない文なのに、肝心なことが伝わっていない。これじゃ本末転倒ですよ。
正直、前置詞の一つや二つ間違えたからと言って、自分の言っていることが伝わらないなんてことは、まずありません。むしろ、間違えのある文章でも要領よく伝えれば、「英語できるヤツ」としてみなされます。むしろ正しくしゃべろうと詰まってしまう方が、よっぽどしゃべれないって思われるんです。
長い間の教育方式を変えるのはそう簡単ではありません。そして、日本の公用語は日本語です。みんながみんな英語をしゃべる必要なんてありません。しかし、この「間違えちゃいけない主義」の英語をどこかで変えなきゃ、日本はこれからもどんどん沈む一方じゃないか、とおもうんです。

まだまだ言いたいことがいろいろあるのですが、本当にきりがなくなるのでここで終わります。あ、所詮は海外にチョコっと住んでただけの高校生の英語力なんで、だれか間違いを見つけたらご指摘ください。なるべく親切にお願いします 笑

きょうは写真なしの長文でごめんなさい。次回から撮影記の更新を再開します。

それでは。

Southern Class 377 at South Croydon
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